2006 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクス機構の解析を中心とした自閉性障害の病因遺伝子解明
Project/Area Number |
18591165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山形 崇倫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (00239857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 雅人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10337347)
中島 尚美 自治医科大学, 医学部, 助手 (20337330)
今井 真里 自治医科大学, 医学部, 研究生 (30398515)
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Keywords | 自閉性障害 / Rett症候群 / エピジェネティクス / DLX5 / DLX6 |
Research Abstract |
本研究は、エピジェネティクス機構に関与する遺伝子の自閉性障害の発症と病態への関連性を解析している。Rett症候群の病因遺伝子で、遺伝子不活化に関与しているMECP2により発現が調節されている遺伝子群は、自閉性障害の候補遺伝子であり、患者での遺伝子変異の有無と発現の変化の有無を解析している。本年度は、DLX5と、それに隣接するDLX6を解析した。 (方法)(1)自閉性障害患者よりリンパ球分離し、DNA抽出。DLX5とDLX6の各エクソンと近傍をPCR増幅し、直接シークエンスし、遺伝子変異の有無を解析した。病因の可能性がある変異は、コントロールでの有無をスクリーニングした。 (2)自閉性障害患者リンパ芽球からRNA抽出し、Real time PCR-TaqMan Gene Expression Assayにより、コントロール、Rett症候群および自閉性障害での発現の変化を解析した。 (結果)(1)DLX5には病因と考えられる様な変異は検出されなかった。DLX6に、コントロールで検出されない変異を同定した。この変異は、1家系のみ、患者兄弟で検出された。 (2)患者リンパ芽球で、DLX5は、Rett症候群でコントロールより発現が高く、自閉性障害では、患者により高発現と低発現があった。 (考察)DLX6に変異が検出され、自閉性障害と関連する可能性が考えられる。さらに症例を増やし検討し、関連を確認する予定である。(2)MECP2はメチル化を抑制し、そのtarget遺伝子の発現を抑制する。 Rett症候群では、MECP2の機能低下により、DLX5の発現は増加すると考えられ、想定どおりの結果が得られた。自閉性障害でも、発現が高い患者がおり、それらの症状を確認するなどして、DLX5の発現増加が特定の自閉性障害に関連するかどうか、検討中である。
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