2008 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクス機構の解析を中心とした自閉性障害の病因遺伝子解明
Project/Area Number |
18591165
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山形 崇倫 Jichi Medical University, 医学部, 准教授 (00239857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 雅人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10337347)
中島 尚美 自治医科大学, 医学部, 助教 (20337330)
桑島 真理 自治医科大学, 医学部, 研究生 (30398515)
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Keywords | 自閉性障害 / DLX5 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
自閉性障害の病因、病態に、エピジェネティクス機構の異常が関与しているとの推定から、自閉性障害(ASD)患者において、Rett症候群の病因遺伝子MECP2により不活化が調節されている遺伝子の変異と発現変化の有無を解析した。また、自閉性障害の病因、病態に関連すると考えられるシナプス関連遺伝子やG蛋白結合型受容体遺伝子も含めて解析した。さらに、DLX5について、遺伝子不活化を受けているかどうか解析した。 (方法)インフォームドコンセントが得られたASD患者リンパ芽球からRNAを抽出し、Real-time PCRで、MECP2により発現が調節されているBDNF、SGK1、FXYD1、IGF2、IGFBP3の発現の変化を、ASD患者と正常コントロールで比較した。また、SGK1およびASDの他の候補遺伝子と考えられる遺伝子について変異の有無をシークエンス法により解析した。さらに、DLX5の不活化の有無を解析するため、3'領域のC7/C8多型をヘテロで有する患者2名、対照2名で発現アレルを解析した。 (結果)遺伝子発現解析では、SGKでASD患者での発現が有意に増加しており、特にASD患者4名で発現が高かった。他の遺伝子の発現レベルは差がなかった。遺伝子変異解析では、SGKでA348GとC720Tの塩基置換を検出したが、アミノ酸に変化はなかった。SNTG2、NRCAM GRM8およびPOT1に変異は検出されなかった。DLX5は、ASD、対照共に両アレルが発現していた。 (考察)前年までおよび今年度の解析結果、DLX5とSGKで一部のASD患者で発現が増加していた。遺伝子変異は検出されなかったが、一部患者で、これらの遺伝子に関連する因子がASDの病態に関与している可能性が考えられた。DLX5は、リンパが球で両アレルが発現しており、不活化は受けていないという結果であった。
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Research Products
(5 results)