2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 潤 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00255506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 敬幸 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40255500)
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Keywords | Hand遺伝子 / 左右心室発生 |
Research Abstract |
補助金交付申請書に述べた研究計画に基づき、本年度は、Hand2^<Hand1/Hand1>マウス胎仔(Hand2をHand1で置換したホモ接合マウス胎仔)を解析して、以下の結果を得た。 1.Hand2^<Hand1/Hand1>マウス胎仔の心表現型 Hand2^<Hand1/+>マウス(Hand2をHand1で置換したヘテロ接合マウス)の表現型は正常で、野生型と同等に生存し、生殖能も有していた。Hand2^<Hand1/Hand1>マウス(ホモ接合マウス)は、胎生12.5日頃までは表現型正常で、野生型と判別できないが、以後成長が停止し、胎生15.5日頃に胎内死亡した。心臓発生を観察すると、心ループを形成し、左右心室形態が明瞭になる胎生9.5日以降、様々な程度の右心室の低形成が認められた。胎生10.5日、11.5日に組織切片の顕微鏡的観察では、ホモ接合マウス胎仔の右心室肉柱層の発達が悪く、胎生各期において経時的に観察する必要があると考えられた。 2.Hand2^<Hand1/Hand1>マウス胎仔における心室特異的遺伝子の発現 Hand2^<Hand1/Hand1>マウス胎仔において、遺伝子の発現をメッセンジャーRNA (mRNA)レベルで解析し、野生型マウスと比較した。胎仔から抽出したRNA、胎仔の全胚および心臓組織切片において、in situ hybridization等の手技を用いて遺伝子発現を検討した。心室特異的に発現する遺伝子のうちHand1は、野生型では左心室だけに発現するが、Hand2^<Hand1/Hand1>マウス胎仔では右心室全体に発現が拡大し、一方Hand2の発現は両心室に認められなかった。すなわち遺伝子置換が達成されていることが確認された。また、左右心室に特異的なAnf、Irx4、左心室特異的なTbx5の発現は正常であり、ホモ接合マウス胎仔でも、心室筋の分化、左心室の分化に異常はないと考えられた。
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