2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能イメージングを用いた軽度発達障害児の病態解明と治療法に関する研究
Project/Area Number |
18591172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 祐史朗 久留米大学, 医学部, 助教授 (90211630)
森田 喜一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (20140642)
津田 彰 久留米大学, 文学部, 教授 (40150817)
石橋 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (20168256)
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Keywords | 神経科学 / ストレス / 脳神経疾患 / 臨床 / 脳機能イメージング |
Research Abstract |
昨年度(〜平成19年3月31日)の研究実施成果 アイマークレコーダー(眼球探索追跡装置)を用い、健常7歳、10歳,14歳児と成人の各群12名の合計48名を対象に、4種類の提示図を用いて探索眼球運動を比較検討した。成人群が他の群より総移動距離が有意に長く、注視点総数が有意に多かった。また総移動距離は7歳が最も短かった(結果は投稿中)。探索眼球運動は、大脳の前頭前野機能1を表していると考えられており、ADHD、高機能自閉症、学習障害等の軽度発達障害児の評価で重要な基礎データーとなる。現在、ADHD、高機能自閉症、学習障害児童で検討中である。また48マルチチャンネルの近赤外線トポグラフィーを使用して、年齢が7-10歳の小児6人と6人の成人ボランティアーで、ビデオゲーム課題中の前頭前野およびその他の脳部位の脳血液量の変動を計測し以下の結果が得られた。小児では全例ゲーム中には全ての部位で全一Hb、酸化型一Hbが低下したが成人では増加し、異なった結果が得られた。子どもが学童早期からゲーム遊びにさらされる事の脳への影響を報告した(BrainDev,2006)。現在、摂食障害児の課題試行時の脳血流を近赤外線トポグラフィーを用いて検討中で、興味ある結果が得られている。さらに、摂食障害児、発達障害児のストレス反応性をみるため、唾液を用いた非侵襲的な方法で、コーチゾール、IgA, MHPGを測定する系を確立し検討中である。大脳深部の脳活動については、発達障害児、摂食障害児でfunctional MRI、SPECT、PET、SPM解析を用いて高次脳機能評価を解析中である。さらにCBCL、SDQ、POMS、幸福度と含む調査票(WHOのSUBI)などを用いて神経心理学的評価をおこなっている。また、心の問題や、発達障害を持つ児童に各種の睡眠障害が多いため、予防、治療的観点からアクチグラム等を用いた睡眠研究もおこない早期介入の効果を検討している。
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