2006 Fiscal Year Annual Research Report
胎児・新生児期での栄養代謝の変動の脳内摂食調節機構発達及び生活習慣病発症への影響
Project/Area Number |
18591173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
山本 幸代 産業医科大学, 医学部, 助手 (20279334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝山 光太郎 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (70129310)
川越 倫子 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20389448)
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Keywords | 肥満 / 摂食調節 / 神経ぺプチド / 視床下部 / 母乳制限 / 生後発達 / 高脂肪食 |
Research Abstract |
摂食調節神経ペプチドの中でも視床下部弓状核(ARC)に発現するガラニン様ペプチド(GALP)、ニューロペプチドY(NPY)及び、プロオピオメラノコルチン(POMC)に焦点をあて、生後発達過程における遺伝子の生理的変動をIn situハイブリダイゼーション法にて検討した。また離乳前の時期での母乳制限や妊娠中・授乳中の母ラットに対する高脂肪食負荷による胎児期・生後早期の高脂肪食負荷が摂食調節機構の生後発達に及ぼす影響を検討した。GALP遺伝子の発現は出生後8日目で初めて認められ、15日目と40日目の間に著明に増加した。NPY遺伝子は、出生当日から認められた。一定の発現が認められ、40日目以降低下した。POMC遺伝子も出生当日から認められた。24時間の母乳制限ではGALP遺伝子の発現に有意な変化は見られなかった。これに対しNPYとPOMC遺伝子は有意に変化した。高脂肪食負荷では、生後22日目においてGALP遺伝子の発現は有意に増加した。これに対してNPYとPOMC遺伝子は有意な変化は示さなかった。GALP遺伝子は離乳開始時期から思春期に著明に増加した。この時期に重要な役割を有する可能性が示唆された。GALP遺伝子とは異なり、NPY及びPOMC遺伝子は出生直後から遺伝子発現が認められた。また母乳制限で有意に変化しNPY及びPOMC遺伝子は離乳前の時期からの生理作用に関与していることが示唆された。高脂肪食負荷によってGALP遺伝子の発現に有意な変化が認められた。食欲調節機構の異常として生活習慣病発症の一因として作用する可能性が示唆された。母乳制限や高脂肪食がGALP、NPY、POMC遺伝子の生後発達に及ぼす影響はそれぞれ異なっていることが判明した。今後は代謝障害モデル動物(Neonatal STZ induced deibetic rat、GTG投与による視床下部性肥満モデルラット)胎児期および新生児期のレプチン、インスリン、グレリン、副腎ホルモン、性ホルモン、甲状腺ホルモン投与が出生後発達過程における摂食調節物質やその受容体の遺伝子発現や蛋白発現の出生後発達に及ぼす影響を検討する。
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Research Products
(4 results)