2006 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス機能分子からの小児自閉症患者の病態学的・疫学的解析
Project/Area Number |
18591176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
内野 茂夫 国立精神・神経センター, 神経研究所 代謝研究部, 室長 (30392434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 伸彦 大阪府立母子保健総合医療センター, 調査企画部, 参事 小児科医 (30416242)
久保田 健夫 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (70293511)
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Keywords | 小児自閉症 / Shank3 / 22q13.3欠失症候群 / 遺伝子診断 / ゲノム / 広汎性発達障害 / FISH / シナプス |
Research Abstract |
研究計画に従い、本年度以下の3つの研究課題を実施した。 課題1:小児自閉症患の診断'および患者血液サンプルの収集 分担研究者である岡本医師が、DSM-IVに準拠した小児自閉症患者のうち過成長傾向で重度精神遅滞を伴う患者を選定し、そのうちインフォームドコンセントの得られた患者51例について血液サンプルを収集した。 課題2:遺云子診断ならびに遺伝子によるSHANK3遺伝子の欠失・変異の探索 課題1で得られた51検体について、SHANK3プローブを用いてFISH解析を行った結果、SHANK3遺伝子の欠失が4例認められた。診断の結果、22q13.3欠失症候群が2例、リング22症候群が2例であった。一方、SHANK3遺伝子の重複が2例観察された。ゲノムマイクロアレイ等を用いて重複領域を詳細に検討した結果、1例は22q13.31-q33にかけて約6Mbの重複が、もう1例は2Mb以内の17P領域への転座が見出された。本結果について、論文発表を行い22q13重複症候群を提唱した。また、FISHによる遺伝子診断では異常が検出されなかった45例について、SHANK3遺伝子がもつ21exonの遺伝子配列を解析中である。この遺伝子診断ならびに遺伝子配列解析は来年度も継続する予定である。 課題3:マウスを用いた分子・細胞生物学的手法によるShank3分子の脳での生理的幾能の解明 SHANK3遺伝子の重複例患者の知見から、ニューロン特異的にShank3分子を高発現するトランスジェニックマウスの作製を行うべくプロモーターの検討を行い、エノラーゼプロモーターを入手した。来年度、本プロモーターを用いて、Shank3の高発現マウスを作製するとともに、病態モデルマウスとしての適用性を検討する。
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Research Products
(2 results)