2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児白血病の骨髄血管内皮細胞の発現遺伝子のマイクロアレイ法による解析
Project/Area Number |
18591193
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岡本 康裕 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30398002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 嘉文 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20260680)
田邊 貴幸 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80444892)
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Keywords | 血管内皮 / 白血病 / マイクロアレイ / 遺伝子発現 / 小児 |
Research Abstract |
平成20年4月から平成20年12月までに、鹿児島大学小児科で新規に白血病と診断した6例(急性リンパ性白血病5例、急性骨髄性白血病1例)および治療を継続している18例(急性リンパ性白血病13例、急性骨髄性白血病4例、若年性骨髄単球性白血病1例)の計24例を対象に今回の検討を行った。採取した骨髄細胞を、Fcsを含むRPMI培養液で希釈した後、Ficollを用いた比重遠心法によって、単核球層に含まれる細胞を分離した。血管内皮に特異的に発現する蛋白に対する抗体(抗トロンボモジュリン抗体)と反応させ、フローサイトメーターによって抗トロンポモジュリン抗体陽性血管内皮細胞をソーティングした。骨髄の血管内皮細胞の割合は、0.4+/-0.2%であった。純化された血管内皮細胞から、Acidguanidinium-Phenol-Chloroform法を応用したキットを用いてRNAを抽出した。RNAの収量は平均0.22μgであった。得られたRNAを断片化し、精製・濃縮した。これを用いてマイクロアレイ法によってRNAの発現パタンを解析した。最終解析時点で24例中20例が無病生存し、13例は治療中である。臨床経過とマイクロアレイ法による発現遺伝子との関係に関する検討は全例の治療が終了した時点で行う予定である。さらに、抗トロンボモジュリン抗体陽性血管内皮細胞における、CD13、CD54、CD133の発現量をスコア化した。スコアの平均は0.94(-3〜5)で、既知のリスク因子(リスク分類、染色体異常、FAB分類)とは相関関係はなかった(r=-0.118〜0,147,p>0.05)。またスコアと最終確認時点での転帰との相関も認めなかった(r=0.214,p>0.05)。結論:骨髄血管内皮細胞の遺伝子発現を、マイクロアレイ法により解析することは可能であった。予後との関係は今後の検討を要する。特定の遺伝子発現をフローサイトメトリー法でスコア化したが、転帰との関係は見いだせなかった。
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