2006 Fiscal Year Annual Research Report
難治性小児白血病におけるアポトーシス抑制蛋白SURVIVINの発現機構の解明
Project/Area Number |
18591201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 秀光 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (10205239)
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Keywords | SURIVIN / E2A-HLF / t(17;19) / 急性リンパ性白血病 / アポトーシス |
Research Abstract |
小児急性リンパ性白血病(ALL)できわめて予後不良なt(17;19)を有するALL(以下t(17;19)^+ALL)の転座により生じる融合転写因子E2A-HLFの下流遺伝子としてsurvivinを同定した。(1)t(17;19)^+ALLにおいてsurvivinが強発現することにが白血病化に寄与していることを確定するためにsiRNA法を用いたsurvivinノックダウンによる表現系の変化を検討した。t(17;19)^+ALL細胞株でsurvivinノックダウンすると著明にアポトーシスを誘導するが、t(17;19)を有しない(t(17;19)^-)ALL細胞株でsurvivinをノックダウンしてもアポトーシスは生じなかった。この結果はsurvivinがt(17;19)^+ALLの白血病化に強く関与していることを示唆している。(2)E2A-HLF融合転写因子がsurvivinのプロモーター領域のcell cycle gene homology region(CHR)に結合する転写抑制因子を阻害することをElectrophoretic mobility shift assay(EMA)法を用いて検討した。EMAの結果はE2A-HLFがCHR-42に結合する転写抑制因子を阻害していることを証明した。(3)Ph^+ALLのsurvivin発現機構の解明。Ph^+ALL細胞株を5株入手しsurvivinの発現についてまず検討した。t(17;19)^+ALLの結果とは異なり、Ph^+ALL細胞株ではsurvivin発現量はいずれも高値という結果でなかった。この結果はbcr-ablの標的遺伝子としてsurvivinが存在すると考えにくいものであった。今後、再検する予定である。
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Research Products
(5 results)