2007 Fiscal Year Annual Research Report
水痘帯状庖疹ウイルス感染症におけるNatural Killer細胞の役割
Project/Area Number |
18591205
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
寺田 喜平 Kawasaki Medical School, 医学部, 准教授 (50172094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 聡子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40309555)
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Keywords | 水痘帯状庖疹ウイルス / NK細胞 |
Research Abstract |
【目的】水痘帯状庖疹ウイルス(VZV)は末梢リンパ球関連のウイルス血症を起こすことがよく知られている。今回、どんな末梢リンパ球が主に感染するのか、さらにアポトーシスが起きているか検討した。 【方法】水痘の既往歴をもつ成人から末梢血単核球(PBMC)を分離した。VZV Oka株とインキュベーション後、T細胞(CD3,CD4andCD45RO)、B細胞(CD19,CD20,CD21,CD22andCD74)、NK細胞(CD16,CD56andCD57)をBD FACSAriaで約12x10^4個のリンパ球をソーティングし、DNAを抽出した。VZVgBをターゲットにしたプライマーでABI PRISM 7700を使用してVZV DNAを定量した。またアポトーシスを示す遺伝子の発現の程度を比較した。 【結果】陽性細胞群の比較では、B細胞群とNK細胞群にVZV DNAが多かった。次に陽性と陰性細胞群を比較するとNK細胞群のCD56においてのみ陽性群が陰性群より有意にDNA量が多かった。 【考察】NK細胞の中でもCD56に細胞親和性が高く、最高で50%の細胞に感染していた。NK細胞は末梢リンパ球の約15%を占め、ヘルペスウイルスの排除に重要な役割を果たしている。我々は、以前水痘に感染すると急性期にNK細胞が減少していることを報告した。この理由としてアポトーシスが原因と考えられるが、さらにアポトーシスに関して検討をつめていきたい。
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