2007 Fiscal Year Annual Research Report
慢性活動性EBウイルス感染症の病態解明に関する研究
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18591207
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Research Institution | Hokkaido Institute of Public Health |
Principal Investigator |
岡野 素彦 Hokkaido Institute of Public Health, 感染症センター・微生物部, 部長 (50261300)
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Keywords | 慢姓活動性EBウイルス感染症 / EBV関連抗原 / 免疫学的解析 |
Research Abstract |
平成19年度も引き続き研究代表者らが作成した診断指針を用い、慢性活動性EBウイルス(EBV)感染症患者を検討し、以下の結果を得た。1.PCR法を用いた末梢血単核球および組織におけるEBVゲノムの同定は、全例陽性であった。なお、末梢血単核球でのコピー数は著しく増加していた。2.蛍光抗体法および免疫プロット法によるEBV潜在関連抗原ならびに遺伝子の発現は、主にEBV-determined nuclear antigen(EBNA)-1およびlatent membrane proteins(LMPs)を認め、少数例ではさらにEBNA-2を認めた。主な感染細胞は、NK細胞のほか一部はT細胞でありその場合より重症となる傾向を認めた。3.RT-PCR法を用いた潜在関連抗原遺伝子の発現も前記2.と同様の結果を得た。4.これらの細胞では、EBV増殖関連抗原ならびに遺伝子の発現を認めなかった。5.末梢血および組織では、特異な染色体異常を認めなかった。6.自然末梢血単核球培養では、前記2,の抗原ならびに遺伝子発現が、経時的に減少した。6.IL-2添加末梢血単核球培養では、前記2.の抗原発現の経時的増加を認める傾向をみた。7.臍帯血単核球との混合培養では、前記2.の抗原発現が、経時的に減少した。なお、対照としたEBV抗体陽性健康人では、少数例で末梢血単核球にEBVゲノムを認めたが、低いコピー数であった。また、自然末梢血単核球培養、臍帯血単核球との混合培養では、少数例でEBV陽性細胞株が樹立され、潜在関連抗原ならびに遺伝子は、EBNA、LMPとも全ての発現が経時的に増加した。加えて、患者では、Granzyme Bの発現は低下し、EBV-specific cytotoxic T lymphocytes活性不全が示唆されるとともに、NK細胞活性も多数例で低下をみた。
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Research Products
(9 results)