2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児白血病におけるチロシンキナーゼ等の遺伝子異常の解析
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18591209
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Research Institution | Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
外松 学 Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences, 調査研究グループ, 研究員 (70251113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 泰秀 群馬県衛生環境研究所, 調査研究グループ, 研究員 (30238133)
丸山 健一 群馬県衛生環境研究所, 調査研究グループ, 研究員 (70229615)
黒岩 実 群馬県衛生環境研究所, 調査研究グループ, 研究員 (90234583)
加藤 政彦 群馬県衛生環境研究所, 感染制御センター, センター長 (30292593)
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Keywords | 白血病 / 膜型チロシンキナーセ / 分子標的療法 |
Research Abstract |
これまで小児急性骨髄性白血病(AML)158検体より、FLT3、KIT、PDGFR等の膜型チロシンキナーゼ(RTK)遺伝子異常の解析をRT-PCR、direct sequenceを用いて行なった。今年度はさらに成人のAMLの微少残存腫瘍(MRD)のマーカーとして有名なWT1遺伝子発現量の検索およびNPM1遺伝子についても変異の検討を行ない、これまでの遺伝子異常の解析結果(FLT3、MLL、KIT、NPM、RASなど)とAML99研究の臨床データを組み合わせて、総合的に予後予測が可能かどうかについて検討した。MLL遺伝子については予後不良とされるMLL-PTDについて、その遺伝子構造の詳細な検討を行なった。 成人のAMLで約50%にみられ予後良好とされているNPM1遺伝子の検討では、小児AMLの正常核型40例で検索したが変異例はみられなかった。欧米では小児AMLの約10%に報告され予後良好とされているが、中国の報告でも約2%しかみられてないことより、民族差や年齢による頻度の相違があることが示唆された。今後一昨年から開始された本邦のAML-05プロトコールによる多数例の検証を行う予定である。 WT1遺伝子発現の検討では、初診時158例、寛解導入療法後74例につきreal-timePCR法で検討を行なった。初診時のWT1の発現は予後とは相関せず、寛解導入療法の後のWT1の値は予後と相関し、またFLT-ITDの異常とも相関した。WT1の発現量はMLL-PTDを有する症例とは相関したが、t(8;21)のKIT変異を有する症例とは逆相関を示した。これらのことより、初診時のWTI遺伝子の発現は小児AMLでは予後の指標にはならないことが示唆されたが、治療後の値は有用と思われた。
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Research Products
(53 results)