2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児期EBウイルス関連疾患におけるEBNA1特異的細胞性免疫応答の研究
Project/Area Number |
18591212
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 嘉規 Nagoya University, 医学部附属病院, 助教 (20373491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛島 清隆 愛知県がんセンター, 腫瘍免疫学部, 部長 (30311442)
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Keywords | EBウイルス / EBNA1 / 細胞傷害性Tリンパ球 / エピトープ / MHC-テトラマー |
Research Abstract |
Epstein-Barrウイルス(EBV)核抗原1(EBNA1)はすべてのEBV感染細胞に発現する唯一の潜伏感染抗原であるが、その分子構造により、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の標的にならないというのが定説であった。しかし、最近、EBNA1のCTL抗原決定基(エピトープ)が生成されることが報告され、EBNA1が細胞性免疫応答の標的として再評価された。私共は、in vitro転写法を用いて作成したEBNA1 mRNA導入樹状細胞を用いて、健常EBV既感染者からヒト白血球抗原(HLA)-B^*3501およびHLA-Cw^*0303拘束性のEBNA1特異的CTLクローンを分離した。このCTLクローンはHLA拘束性にEBV陽性リンパ芽球用細胞株の増殖を抑制した。さらに、HLA-Cw^*0303拘束性EBNA1特異的CTLクローンはHLA拘束性にEBNA1発現胃癌細胞株を認識し、インターフェロン-γを産生することを確認した。一方、近年、細胞性免疫応答におけるCD4^+Tリンパ球の重要性が注目されていることから、EBNA1特異的CD4^+Tクローンの分離を試みた。その結果、EBNA1蛋白全長をカバーする13merの長さの重なりを持ったペプチド群をパルスした、ドナー末梢血リンパ球を抗原提示細胞とする誘導法により、健常既感染者から5種類のEBNA1特異的CD4^+Tリンパ球クローンを分離し、このうち1種類のEBNA1特異的CD4^+TクローンはDRB1^*0401、DRB1^*0403およびDRB1^*O406拘束性の新規エピトープを認識していると考えられた。
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