2006 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内炎症がヒツジ胎仔の脳血流ならびに脳室周囲白質軟化発症に与える影響の解析
Project/Area Number |
18591213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 直 東北大学, 病院, 講師 (50361100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 達也 東北大学, 病院・助手 (70400380)
埴田 卓志 東北大学, 病院・医員 (30400360)
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Keywords | 実験動物モデル / 脳室周囲白質軟化 / 脳虚血 / 近赤外線分光法 / 子宮内炎症 / 壊死性臍帯炎 / エンドトキシン / 顆粒球コロニー刺激因子 |
Research Abstract |
子宮内炎症がヒツジ胎仔の脳血流ならびに脳室周囲白質軟化(PVL)の発症に与える影響を解析するために、ヒツジ胎仔を用いた慢性実験系を作成した。われわれは子宮内炎症(G-CSF+endotoxin)によって胎仔に代償性脳血流増加(brain sparing effect, BSE)が誘導された後に部分交換輸血(循環血液量の40%、PET)で貧血性低酸素を負荷すると、BSEが破綻することによって胎生期PVLか誘導されることを確認している。本研究ではBSEの急激な解除がPVL発症の本質的要因であるか否かを検討する。 今年度は、(1)PETでBSEを生じさせた後に再びPETを負荷してBSEを破綻させる群(n=2)、(2)子宮内炎症によってBSEが誘導された後に、抗炎症剤であるdexamethasone(DXM)を投与し、その後PETを負荷する群(n=2)、(3)子宮内炎症によってBSEが誘導された後に、母体に酸素投与(PaO_2>200torr)してBSEが解除されてからPETを負荷する群(n=2)について検討した。また、より未熟性の強い胎仔の反応を解析するために全例とも妊娠102日から実験を開始した。 (1)群胎仔は2例とも強い未熟性のため手術侵襲に耐えられず、初回PET前に死亡した。(2)群ではDXM投与直後から強い早産陣痛が出現し、いずれも実験後半に経膣分娩に至った。(3)群では母体酸素投与によってBSEが消失し、その後のPETによる貧血性低酸素負荷ではいずれもPVLは誘導されなかった。来年度は(3)群について重点的に検討し、急性子宮内炎症でBSEが誘導された場合には母体酸素投与によってBSEを解除した方がPVL発症のリスクか少なくなることを検証する。また、実験開始を妊娠104日に戻してあらためて(1)群についても検討する。(2)群についてはDXMの胎仔投与ではなく母体投与の方か早産を誘発し難いと考えられた。
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