2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞より結合組織型肥満細胞への分化誘導とその臨床応用の基盤技術の開発
Project/Area Number |
18591217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬 峰 The University of Tokyo, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (20378748)
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Keywords | ヒト胚性幹細胞(ES細胞) / 胎仔肝 / ストローマ細胞 / 多能性造血細胞 / 肥満細胞 / 組織型肥満細胞 / 粘膜型肥満細胞 / アレルギー |
Research Abstract |
昨年度、我々は、マウス胎仔肝由来ストローマ細胞との共培養(10〜14日間)により、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)から分化誘導された多能性造血前駆細胞をSCF(stem cell factor)、FL(Flk2/Flt3 ligand)、IL(interleukin)-6存在下で液体培養すると、tryptaseは発現しているが、chumaseは発現していないT型肥満細胞(粘膜型肥満細胞)が産生されることを報告した。 本年度、我々は、新たに、このヒトES細胞とマウス胎仔肝由来ストローマ細胞の共培養継においては、多能性造血前駆細胞は非浮遊細胞として存在するが、共培養10〜14日非浮遊細胞中には、tryptase、chymaseのいずれも発現しているTC型肥満細胞(結合組織型肥満細胞)が存在することを見出した。これらの結合組織型肥満細胞は、SCF、FL、IL-6存在下でのマウス胎仔肝由来ストローマ細胞との共培養により、増殖し続けた。 以上の結果は、マウス胎仔肝由来ストローマ細胞との共培養系における、ヒトES細胞から肥満細胞への分化経路には、2種類存在することを示している。一つは、培養10〜14日目に造血前駆細胞とほぼ同時に産生される経路で、産生される肥満細胞のほとんどが結合組織型肥満細胞であった。一方、多能性造血前駆細胞を介して産生される経路(培養期間は合計28〜30日)が存在し、この経路で産生される肥満細胞のほとんどが粘膜型肥満細胞であった。 上記のように、マウス胎仔肝由来ストローマ細胞との共培養により、ヒトES細胞から、結合組織型肥満細胞と粘膜型肥満細胞を、別々に産生することが可能となった。これらのヒトES細胞から産生された肥満細胞は、有用な抗アレルギー薬の効果評価系となることが期待される。
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Research Products
(10 results)