2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内トポロジーからみた胎児由来寡能性細胞トロホブラストの血管内皮様分化調節機構
Project/Area Number |
18591221
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福嶋 恒太郎 Kyushu University, 大学病院, 助教 (40304779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月森 清巳 大学病院, 大学病院, 講師 (90253450)
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Keywords | 妊娠成立維持機構 / 絨毛細胞 / 低酸素環境 / 細胞分化 |
Research Abstract |
本研究では、正常な胎盤形成に必須である絨毛外トロフォブラスト(EVT)の血管内皮(EC)様分化にかかわる遺伝子を明らかにすることを目的とし、ヒトEVT不死化細胞株TCL1、ヒト臍帯血管内皮細胞におけるmatrigel上での微小血管形成(tube formation:TF)過程の遺伝子変化をmicroarray法で検討し、HIFIA遺伝子発現がTCL1で特異的に増幅されること、この発現およびTF能がHIF1Aに対するsiRNA、阻害剤添加で抑制されることを明らかにした。 今年度は、HIF1AのTFにおける役割を明らかにするために、ルシフェラーゼ活性測定によるHIF1Aの転写活性、間接蛍光抗体法ならびに免疫プロット法による、HIF1Aの下流に存在し、我々が先行研究において、TCL1細胞のEC様分化において重要な役割を有することを発表してきたVEGF、ITGAV遺伝子のmatrigel上での発現に対するHIF1A阻害の効果を検討した。 その結果、Hypoxia Response Elementを挿入したルシフェラーゼ発現ベクターを導入したTCL1細胞の活性はmatrigel上で増幅されたが、この活性はTF能を抑制する条件のsiRNAもしくはAntimycin A添加により抑制されうること、matrigel上でTCL1細胞が示すVEGF発現ならびにITGAV/B3遺伝子の発現と機能的活性化はTF能を抑制する条件のsiRNA、Antimycin A添加で抑制されること、がわかった。 これらの結果からTCL1細胞ではマトリゲル上で20%酸素濃度下HIF1Aが誘導されること、その転写活性がEVT分化マーカーのVEGFやITGAV誘導ならびにTF能にも関与すること、が示された。すなわち本研究により、EVTのEC様分化では、非低酸素環境においてもHIF1Aが重要な役割を有することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)