2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症因子と覚醒反応発現に関する研究
Project/Area Number |
18591222
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
加藤 稲子 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (00305541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸苅 創 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50106233)
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Keywords | 乳幼児突然死症候群 / SIDS / 覚醒反応 / 喫煙 / 睡眠 |
Research Abstract |
乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome: SIDS)はそれまで健康と思われていた乳幼児が睡眼中に突然死亡する原因不明の疾患であり、その病態として睡眠中の覚醒反応の異常が示唆されている。リスク因子としては妊娠中あるいは出生後周囲での喫煙、うつぶせ寝、非母乳哺育、低出生体重などがあげられている。 ブリュッセル自由大学附属小児病院において睡眠時ポリグラフ検査をうけた乳幼児のうち性別、月齢、体重、寝かせ方、哺乳の種類などを一致させた母親の喫煙のある群と喫煙のない群で覚醒反応の頻度について検討を行い、喫煙の影響について検討した。 それぞれの群は男児7例、女児10例で、喫煙のある群では母親の1日の喫煙数は平均17.5本であった。単位時間あたりの覚醒反応の発現頻度は喫煙グループでは16.6±6.6、喫煙しないグループでは16.5±3.8で、両群間で有意差は認めなかった。さらにこのうちの各群10例において覚醒反応をcortical arousalとsubcortical activationに分類しその頻度について検討した。REM睡眠期において、喫煙グループではcortical arousalの頻度が低く、subcortical activationの頻度が高い傾向を示したが、有意差は認めなかった(cortical arousalの頻度:喫煙グループ10.4/h、非喫煙グループ14.2/h、subcortical activationの頻度:喫煙グループ2.2/h、非喫煙グループ1.6/h)。NREM期においてはcortical arousalとsubcortical activationの頻度に有意差は認めなかった。 有意差は認めなかったものの喫煙の環境下にある乳児でSIDS症例と同様の傾向を認めたことはSIDSの病態を考慮する上で重要な所見と思われた。
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