2008 Fiscal Year Annual Research Report
合成ペプチドを用いた合成サーファクタントの開発:生理活性の評価
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18591223
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
千田 勝一 Iwate Medical University, 医学部, 教授 (30108930)
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Keywords | 人工サーファクタント / 合成サーファクタント / サーファクタント蛋白 / SP-Bアナログ / SP-Cアナログ / 呼吸窮迫症候群 |
Research Abstract |
合成サーファクタントの肺組織学的評価 合成サーファクタントの生理活性を測定後、ウサギ胎仔肺に10cmH_2Oの圧を加えた状態でパラフィン固定し保存した。今回、これを用いて組織学的に評価した。方法はウサギ胎仔肺の主気管支を含む面で3μm厚の標本を作製してelastica van Gieson染色を行った。これを画像解析システムによって肺胞の拡張度と均一性とについて解析した。この結果、肺面積に対する肺胞腔面積の比および肺胞拡張の均一性は、50mg/kg投与においてSP-B・脂質群が成熟対照群、SP-C・脂質群、Surfacten群よりも有意に劣っていた。100mg/kg投与したときの肺胞拡張は、SP-B・脂質群が成熟対照群よりも有意に均一性に欠けていた。一方、これらの指標はSP-C・脂質群と成熟対照群およびSurfacten群とで有意差を認めなかった。 合成サーファクタントの電子顕微鏡的形態 合成サーファクタントをNotterらの方法で固定・染色し、透過電子顕微鏡で観察した。その結果、合成サーファクタントは、約50A周期の電子密度の高い層と比較的低い層からなる基本構造を示した。これらの全体像は層板膜状構造を示したが、層板数と長さはSP-B・脂質とSP-C・脂質、およびSurfactenの間で異なっていた。これらの構造の相違は成分の違いによる影響と考えられた。
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