2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 稔 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (50283130)
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Keywords | 強皮症 / CD20 / B細胞 / 自己免疫 |
Research Abstract |
全身性強皮症のモデルマウスであるtightskinmouse(TSKマウス)に対して、B細胞を特異的に除去できる抗マウスCD20抗体を投与した際の効果を検討した。まず、抗CD20抗体の皮下注射により、TSKマウスにおいて週齢に関わらずB細胞を長期に除去可能なことを確認した。また、本治療がB細胞以外のT細胞やマクロフアージなどには有意な影響を与えないことを、フローサイトメトリーの検討にて確認した。 TSKマウスは生後1週間頃から8週くらいまで皮膚硬化が進行する。そこで、皮膚硬化の確認される前の新生児期から本治療を開始したところ、8週までに皮膚順化の進行(皮膚の厚さとコラーゲン量より評価)が約43%まで抑制された。また、これらのマウスではTSKマウスにみられる強皮症に特徴的な抗topoisomerasel抗体などの自己抗体の産生か完全に抑制された。このように発症前からのB細胞除去療法は、TSKマウスにみられる皮膚硬化と自己免疫を有意に抑制することが明らかとなった。 次に、生後8週の皮膚硬化や自己抗体産生の確立したTSKマウスに、抗CD20抗体治療により8週間B細胞を除去したが、皮膚硬化や自己抗体産生に有意な変化はみられなかった。更に長期の観察が必要かもしれないが、今回の検討からは一旦完成した皮膚硬化や自己免疫にはB細胞除去療法が有用ではないものと思われた。 また、効果のみられた新生児期からの投与について、抗CD20抗体の投与量を減量してB細胞除去が不完全な場合には、皮膚硬化の進行や自己抗体産生の抑制は軽度であった、このことから、本治療が抗体の容量依存性すなわちB細胞除去の程度に依存して効果のあることが示された。 今後、本治療が皮膚硬化や自己免疫に関与する機序について、更に検討する予定である。
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Research Products
(2 results)