2007 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚再生機構の解明-毛包細胞内シグナル伝達機構の解析-
Project/Area Number |
18591245
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
板見 智 Osaka University, 医学系研究科, 寄附講座教授 (30136791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 重樹 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (30324750)
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Keywords | レプチン / STAT3 / 角化細胞 / 毛乳頭細胞 / 毛周期 |
Research Abstract |
我々はLeptin欠損マウス(ob/ob)やLeptin receptor欠損マウス(db/db)における毛周期を検討し、 1.db/dbマウスでは第2毛周期への移行が遅れること 2.ob/obマウスではLeptinの皮内投与により成長期誘導が出来ることを既に見出している。 すなわちLeptinは内因性の成長期誘導分子として機能していると考えられる。 Leptin受容体はgp130レセプターファミリーに属するが、我々はstat3が成長期の開始に必須であることも既に明らかにしている。 そこで毛包幹細胞を活性化し成長期を誘導する分子としてのLeptin産生細胞を毛乳頭細胞と考え、ヒト培養毛乳頭細胞におけるLeptinのmRNA発現と培養上清中の分泌量をELISA法により測定しその産生を確認した。このLeptin誘導は低酸素条件下で亢進した。 さらに培養ヒト角化細胞をLeptinで刺激し細胞内シグナル伝達を検討したところ、 1.ERKのリン酸化 2.JAK2およびSTAT3(Y705,S727)のリン酸化を容量、時間依存的に確認した。 3.血中に存在するLeptin fragmentでも同様の結果を得た。 これらの結果は毛乳頭細胞に由来するLeptinがパラクリンに角化幹細胞に作用し成長期を誘導する内因性因子で有ることを強く示唆した。
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