2006 Fiscal Year Annual Research Report
MAPKシグナル伝達系を用いた乾癬の病態モデルの作成と新たな治療法の開発
Project/Area Number |
18591247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樽谷 勝仁 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30301261)
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Keywords | MAPK / Raf-1 / 表皮 / 乾癬 / タモキシフェン / AKT |
Research Abstract |
表皮角化細胞のMAPK活性化は表皮細胞増殖において重要な役割をになっている。乾癬の表皮細胞もこのMAPKの活性化が重要であると考えまず乾癬表皮に置いてMAPKの活性化が起きているかどうかをMAPKのリン酸化抗体を用いた免疫染色法により調べたところ、正常表皮には表皮有棘層の表皮細胞核にわずかにその発現が認められたのに対して乾癬表皮においては有棘層にあるほぼすべての細胞の核に強くその発現が認められた。このことより尋常性乾癬の病態にMAPKが深く関与していると考えられたため、アメリカのP.khavari博士のところよりタモキシフェン存在化にMAPKのシグナルカスケードの上流にあるRaf-1を表皮特異的に発現することができるマウスを輸入し、企業にてSPF化した後に当大学内に導入した。このマウスの背部に週2回タモキシフェンを塗布したところ、1-2週間で肉眼的に表皮の肥厚が出現することが確認された。一方MAPKと近い経路でPI3K-AKTの経路があり、Raf-1と同様にタモキシフェンを塗布したときのみにAKTを発現するマウスが存在するのでその皮膚にタモキシフェンを塗布して表皮の変化を観察したところ、肉眼的、組織学的にはわずかに表皮肥厚を認めるのみであったが、毛周期の促進が見られ、表皮中の幹細胞の数の増加も見られた。今後Raf-1を表皮特異的に発現することができるマウスでも同様にタモキシフェン塗布により肥厚した表皮中の幹細胞の数の増加が見られないかどうか、またMAPKのシグナル伝達系には様々な阻害剤が存在するため、その阻害剤を用いて表皮肥厚がブロックされないかどうか調べる予定である。
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