2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス関連癌の前駆状態における特異的蛋白抗原を用いた発癌阻止的免疫療法
Project/Area Number |
18591248
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
辻 和英 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30304356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩月 啓氏 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80126797)
中西 元 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (80314673)
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Keywords | 種痘様水疱症 / EBウイルス / 癌ワクチン / CTL / NK / T細胞悪性リンパ腫 / ウイルス特異的蛋白抗原 / 制御性T細胞 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
本研究の目標は、種痘様水疱症や蚊刺過敏症などで将来EBウイルスNK/T細胞悪性リンパ腫を発症する可能性の高い症例に対して、CpGやコレステロール抱合疎水化プルラン(CHP)など外来蛋白をMHC class I経路に輸送するアジュバンドシステムを用いたウイルス特異的蛋白抗原の投与を行な免疫療法により癌の発症を阻止することである.コレステロール抱合疎水化プルラン(CHP)(Ikuta Y, Blood. 2002;99:3717-3724)などのアジュバンドとともに外来蛋白で免疫すると、樹状細胞(DC)を介してMHC class Iに抗原が提示されCTLも誘導されることがわかってきた. 以上の基礎的治験をふまえて、わたしたちは、岡山大学倫理委員会で承認を受け、すでに岡山大学免疫学教室との共同研究で、メラノーマの癌免疫療法(自主臨床治験)を行った。同意の得られた患者において、皮下注射で投与されたNY-ESO-1抗原に対する免疫応答が認められ、悪性黒色腫患者に水庖が生じる強い免疫応答が誘導できることも確認している。(Int J Cancer. 2007 Feb 2に掲載)また、本症例を検討することにより、制御性T細胞やM2マクロファージによって、腫瘍が免疫機構から回避することがあるわかった。(Cancer Immunol Immunother, in press) また、私たちは、EBウイルス感染によって生じる種痘様水庖症や蚊刺過敏症で、病変部痂皮を用いてEBV-encoded small RNA (EBER)を検出する方法を確立し報告した。(J Microbiol Methods.68(2):403-7 2007に掲載) この手法を用いると、非侵襲的にEBウイルス関連皮膚疾患の診断が可能であることがわかった.
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