2007 Fiscal Year Annual Research Report
蚊アレルギー患者におけるEBウイルス感染NK細胞増殖症に対する分子標的療法の開発
Project/Area Number |
18591257
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
浅田 秀夫 Nara Medical University, 医学部, 教授 (60252681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新関 寛徳 奈良県立医科大学, 准教授 (10228124)
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Keywords | 蚊アレルギー / EBウイルス / 悪性リンパ腫 / 発癌遺伝子 / siRMA |
Research Abstract |
EBウイルスが感染したNK/T細胞(EBV-NK/T)増殖症では,しばしば蚊刺に対する激しい局所反応と,発熱・リンパ節腫張・肝脾腫などの全身反応を呈する「蚊アレルギー」と呼ばれる症状が見られることが知られている。我々は,これまでに蚊アレルギーを呈したEBV-NK/T増殖症患者について,ヒトスジシマカ蚊唾液腺抗原刺激がCD4(+)T細胞を活性化し,この活性化CD4(+)T細胞が,EBV-NK/Tに作用し,ウイルス発癌遺伝子LMP1の発現を増強してEBV-NK/Tの増殖を充進させることをみいだした。今回の研究では,EBV-NK/Tの腫瘍化に重要な役割を果たしていると考えられるLMP1のmRNAを標的とするsiRNAを作製し,この分子をEBV-NK/Tに導入することにより,LMP1を阻害し,この分子の機能解析を進めるとともに,LMP1を標的分子とする治療法の開発をめざすことを目的とした。昨年度設謙したLMP1に対するsiRNAを用い,我々が決定した至適導入条件を用いて,EBV感染D4(+)Tリンパ球へのLMP1-siRNAの導入実験を行った。しかし,EBV感染リンパ球へのLMP1-siRNA導入によるLMP1 mRNAの発現の阻害効果は再現性に乏しく,細胞増殖の有意な抑制効果も確認できなかった。そこで,導入効率をさらに上げるため,遺伝子導入用試薬をOligofectamine(Invitrogen)からPrimaPort(CREDIA JAPAN)に変更したところ,導入効率が飛躍的に向上し,LMP1 mRNAの発現の阻害も確認できた。しかし,現在のところLMP1-siRNAの導入により,EBV感染CD4(+)Tリンパ球の明らかな増殖抑制は認められていない。
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Research Products
(8 results)