2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウス及びヒトにおける色素遺伝子と紫外線によるメラニン生成の制御機構
Project/Area Number |
18591262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
伊藤 祥輔 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (70121431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 一雅 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (80131259)
広部 知久 放射線医学総合研究所, 生体影響機構研究グループ, チームリーダー (10111238)
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Keywords | メラノサイト / メラノブラスト / ケラチノサイト / ブラック / スレーティー / メラニン / メラノソーム / 無血清培養 |
Research Abstract |
slaty (slt)マウスの培養表皮メラノサイトは、black (Slt/slt)マウスのメラノサイトに比べ、第III期メラノソームが多く、成熟した第IV期メラノソームはきわめて少なかった。第III期メラノソームは、Slt/Sltマウスのメラノソーム(楕円形で内部構造が格子状)に比べ球形で内部に小顆粒を持っていた。また、slt/sltマウスのメラノサイトはSlt/Sltマウスのメラノサイトに比べゴルジ体やミトコンドリアが多かった。さらに、slt/sltマウスの表皮メラノサイトの増殖能はSlt/Sltと同等であったが、分化能が低かった。この培養系にメラニン生成の出発物質であるL-チロシンを加えて培養すると分化が促進され、ユーメラニンもフェオメラニンも増えた。slt/sltマウスでは、メラノサイトの分化に重要なチロシナーゼの活性やチロシナーゼ関連タンパク質2の発現が弱く、フェオメラニン量は変わらなかったものの、ユーメラニン量が少なかった。slaty遺伝子はチロシナーゼの活性やチロシナーゼ関連タンパク質2の発現を制御し、ユーメラニンの生成を制御し、メラノソームの成熟を抑制する働きがあると示唆される。また、recessive yellow (e/e)マウスの新生児の表皮・真皮におけるユーメラニン量はblack (E/E)に比べて著しく少なかった。一方、e/eマウスの新生児の表皮と真皮におけるフェオメラニン量はE/Eに比べて著しく多かった。同様に、5週令のe/eマウスの毛のユーメラニン量はE/Eに比べて著しく少なく、フェオメラニン量は著しく多かった。雌のe/eマウスの毛のユーメラニン・フェオメラニン量は雄に比べて多かった。このような雌雄の差はE/Eマウスでは見られなかった。一方、フェオメラニンの前駆体である、5-S-システイニルドーパ(5-S-CD)の血漿中の量はE/E、e/eマウスで雌雄の差がなかった。これらの結果から、recessive yellow遺伝子はユーメラニン産生を抑え、フェオメラニン産生を増加させると考えられる。
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Research Products
(12 results)