2007 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイドーシスにおけるアンギオテンシン変換酵素の役割
Project/Area Number |
18591264
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岡本 祐之 Kansai Medical University, 医学部, 教授 (10142291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 可魚 関西医科大学, 医学部, 助教 (90351543)
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Keywords | サルコイドーシス / 肉芽腫 / ACE / 単球 / アンギオーテンシンII |
Research Abstract |
アンギオテンシン変換酵素(ACE)はサルコイドーシスの肉芽腫病変で産生され、その血清値が上昇すると考えられている。ACEによって生成されるアンギオテンシン耳(Ang-II)は、サイトカインやケモカインの産生を誘導し、炎症反応に関与していることが報告されている。そのため、ACEの発現増強環境下においては、Ang-IIが炎症性肉芽腫の病態形成に関与していることが想像される。そこで、サルコイドーシスの病態形成における単球由来のACEおよびACEから生成されるAng-IIの役割を明らかにするために、これまで肉芽腫形成に関わることを報告してきたCD14^+CD16^+単球の誘導能や遊走などの機能に対するAng-IIの影響について検討した。TGF-β、IL-10、M-SCFは新鮮単球からのCD14^+CD16^+単球誘導能を有していたが、それぞれを単独で用いるとCD14^+CD16^+単球誘導はわずかであった。しかし、M-CSF/IL-10あるいはTGF-β/IL-10にて新鮮単球塗箸養するとき3日後にはCD14^+CD16^+単球が強く誘導された。そこに、Ang-IIを添加したところ、CD14^+CD16^+単球の誘導が抑制された。次に、CD14^+CD16^+単球の遊走因子に対するAng-IIの作用をボイデン法にて調べた。チャンバー下室に、単球の最も強力な遊走因子の1つであるmonocyte chemoattractant protein-1や、単球由来巨細胞である破骨細胞の遊走に関与するReceptor activator of NF-κB ligand(RANKL)を種々の濃度で入れ、上室に無刺激あるいはAng-II刺激CD14^+CD16^+単球を加えたところ、Ang-II刺激が遊走能を抑制することが認められた。
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