2006 Fiscal Year Annual Research Report
非定型抗精神病薬によるメタボリックシンドロ-ムの脆弱性因子の検討
Project/Area Number |
18591270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
古郡 規雄 (安井 規雄) 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20333734)
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Keywords | メタボリック症候群 / 耐糖能試験 / 統合失調症 / 抗精神病薬 / 副作用 |
Research Abstract |
非定型抗精神病薬における耐糖能を比較するため、リスペリドンとオランザピンを服用している統合失調症患者100例と年齢、性別、体重をマッチさせた健常者50例でブドウ糖負荷試験を行った。採血は空腹時および75gブドウ糖を負荷後30分、60分、120分に行った。空腹時血糖値や空腹時インスリン値に差はなかったが、負荷後の血糖値やインスリン値は非定型抗精神病薬を服用している2群で高く、インスリン抵抗性が高くなっていることが明らかとなった。しかしながら、オランザピンとリスペリドンの薬剤間には差がなかった。神経障害に関連があるとされるアルドース還元酵素の指標となる赤血球ソルビトール値は非定型抗精神病薬を服用している2群のほうが有意に高かった。薬剤間に差はなかった。一方、インスリン分泌能の指標となるinslinogenic indexは3群間で差はなかった。本研究成果は平成18年度日本臨床精神神経薬理学会にて報告し、海外誌に投稿中である。 また現在、日本人のメタボリック症候群の頻度は明らかではないため、疫学的検討を始めている。450例のサンプリングを終了し、現在約34%と一般人口に比較し、高い傾向であるが、さらに症例数を増やし、詳細な検討を行う予定である。また、薬剤との関係や、その他の危険因子の解明を試みる。 耐脂肪能の検討に関して、クッキーテストのサンプリングが行われている。現在非定型抗精神病薬服用中の統合失調症患者約80例のサンプリングが終了し、結果は逐次解析中である。今後年齢、性別、体重をマッチさせた健常者40例のクッキーテストを行う予定である。
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Research Products
(28 results)