2006 Fiscal Year Annual Research Report
サルの大脳皮質帯状回ニューロンの非空間視覚認知機能の解明
Project/Area Number |
18591282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
谷渕 育夫 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40251996)
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Keywords | 帯状回 / 前頭前野 / 認知機能 |
Research Abstract |
この研究の目的は、サル大脳皮質帯状回で非空間視覚情報に関する認知機能を細胞レベルで調べることである。サルの前頭前野腹外側部(12、46野)で事物や顔に選択的に応答するニューロンが見つかっており、その部位が非空間認知機能に関与していることが詳細に解明されつつある。また前頭前野腹外側部と強い線維結合を有する視床背側内側核腹側部でも事物や顔に選択的に反応するニューロンが発見された。したがって、前頭前野、視床背側内側核などと強い線維結合のある大脳皮質帯状回でも事物や顔に選択的に応答するニューロンが存在すると考えられる。 まず写真呈示課題(様々な種類の事物・顔の写真を呈示する課題)を用いて2頭のサルを訓練した。訓練終了後にMRI撮影を行い、皮質帯状回が位置すると思われる部位の直上の頭蓋骨に脳定位的に記録用シリンダーを設置した。サルが手術から充分回復した後マイクロマニピュレーターを駆動して記録電極を皮質帯状回が存在するとみられる部位に進め、サルが写真呈示課題を遂行中に大脳皮質帯状回や隣接皮質領野と思われる部位で単一細胞外記録を行った。それらの部位では特定の事物や顔に選択的に応答するニューロンが数多く記録された。現在その記録部位の組織学的検索を行っており、また同時にそれらのニューロンが事物・顔のどの属性(形状、色調など)に反応しているのかも解折中である。今後これらの結果をもとに事物や顔に選択的に反応するニューロンの脳内マッピングを行い、それらニューロンが皮質帯状回の特定の領域にのみに分布するのかあるいは隣接する領野も含めて広範な領域に存在するのかを明らかにする。
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