2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図による機能画像を用いた統合失調症の磁気刺激療法の作用機作と有効性予測の検討
Project/Area Number |
18591284
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
鵜飼 聡 Wakayama Medical University, 医学部, 准教授 (80324763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 良平 大坂大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40372619)
岩瀬 真生 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60362711)
武田 雅俊 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00179649)
篠崎 和弘 和歌山県立医学大学, 医学部, 教授 (40215984)
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Keywords | 統合失調症 / 脳磁図 / 経頭蓋的磁気刺激 / 語産生課題 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、1)脳磁図を用い、語産生課題の課題提示から回答までの短時間に脳内の各領域が賦活される様子を高い時間・空間分解能で可視化する方法を確立する、2)課題中の脳内神経回路網のダイナミクスについて、統合失調症患者の個々の臨床データ(認知機能検査、症状評価尺度を含む病型、薬物反応性などの臨床特性)と対比させ、それらに特徴的な時間・空間的パターンを抽出する、3)rTMS(経頭蓋的連続磁気刺激)治療前後での時間・空間的パターンの変化を検討することによって、rTMSの治療パラメータ、作用機作、有効性予測の確立を目指すことである。 平成19年度の主な研究実績は下記のとおりである。1)前年度におこなった、語産生課題のひとつである「しりとり」課題遂行時の脳磁図の空間フィルタ解析による脳機能画像化の手法の開発を踏まえて、本年度は、課題提示装置に同期して測定が可能な脳磁図の測定システムを構築するとともに、臨床データと脳機能画像の関連を明らかにすることを目指して、脳磁図の測定・解析パラメータを試行的に変化させながら、健常被験者を用いて繰り返し測定・解析を施行し、最適パラメータの決定を目標に検討を続けた。また、統合失調症で障害される情動やストレス反応を客観的に脳波・脳磁図で捉えることを目指して、情動反応を神経生理学的手法で測定、解析・評価する手法の開発のための基礎的な検討をおこなった。2)rTMSの作用機作の検討の一環として、視床痛などの求心路遮断痛を呈する患者にrTMS治療を施行した前後で、臨床症状、SPECT、脳波・脳磁図の変化などについて検討し、連日のrTMSは、刺激部位直下だけでなく、脳全体の機能の賦活や可塑的な変化を引き起こすことで治療効果をもたらしている可能性を示唆する所見が得られた。
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Research Products
(33 results)