2006 Fiscal Year Annual Research Report
LORETA及びSPM法を用いた初発統合失調症における脳機能・形態異常の検討
Project/Area Number |
18591300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
外間 宏人 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (80238724)
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Keywords | LORETA / SPM / 統合失調症 |
Research Abstract |
初発時の統合失調症において側頭葉などの大脳皮質の局所容積の異常、および事象関連電位P300の振幅異常などが知られている。しかし、事象関連電位P300の振幅低下が、同成分の発生に関連した皮質の局所的な容積減少に由来するのか、別々の独立した現象なのか、まだ十分明らかとなっていない。本研究課題では、同一被験者について事象関連電位とMRIを測定し精神症状との関連も含めて詳細に検討を行い、神経心理学的な観点からの統合失調症の病態解明を行うことを目的としている。 初発、未治療の統合失調者(18人)と性、年齢をマッチさせた健常対象者に対し聴覚オドボール課題を行い事象関連電位測定を行った。統合失調者群で有意なP300成分の振幅低下を認めた。LORETA解析の結果では健常者に見られる前頭葉- 側頭葉- 頭頂葉にいたる一連のP300皮質電流密度の高まりが、統合失調者群では低下しており、同部位の機能的な異常を示唆した。 頭部MRI検査の結果については現在解析中であるが、左側頭葉後半部分の皮質容積低下を示唆する結果となっている。今後更にSPM解析により健常者との全脳的な比較・検討を行いLORETA解析により示された部位の解剖学的変化の有無について更なる検討を行っていく予定である。
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