2007 Fiscal Year Annual Research Report
LORETA及びSPM法を用いた初発統合失調症における脳機能・形態異常の検討
Project/Area Number |
18591300
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
外間 宏人 University of the Ryukyus, 医学部附属病院, 講師 (80238724)
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Keywords | LORETA / SPM / 統合失調症 |
Research Abstract |
初発時の統合失調症において側頭葉などの大脳皮質の局所容積の異常、および事象関連電位P300の振幅異常などが知られている。しかし、事象関連電位P300の振幅低下が、同成分の発生に関連した皮質の局所的な容積減少に由来するのか、別々の独立した現象なのか、まだ十分明らかとなっていない。本研究課題では、同一被験者について事象関連電位とMRIを測定し精神症状との関連も含めて詳細に検討を行い、神経心理学的な観点からの統合失調症の病態解明を行うことを目的としている。 初発、未治療の統合失調者(18人)と性、年齢をマッチさせた健常対象者に対し聴覚オドボール課題を行い事象関連電位測定を行った。統合失調者群で有意なP300成分の振幅低下を認めた。LORETA解析の結果では健常者に見られる前頭葉-側頭葉-頭頂葉にいたる一連のP300皮質電流密度の高まりが、統合失調者群では低下しており、同部位の機能的な異常を示唆した。 頭部MRI検査の結果については現在SPM解析により検討中であるが、健常者との比較において両側の前頭葉、側頭葉後半部、頭頂葉と比較的広範囲に低下が認められ、LORETA解析で異常の示された部位を含んでいた。これらの結果からは統合失調症の発症時点において既に広範で、微細な大脳皮質容積の低下が存在し、P300発生に関連した部位の機能低下が症状形成に大きく寄与していると考えられる。 これらに関連した研究結果について国内外のいくつかの学会にて報告を行った。 (World Psychiatric Association regional meeting in Seoul 2007, World Psychiatric Association regional meeting in Shanghai 2007 International Symposium on Schizophrenia, Taipei, 2007沖縄精神神経学会、2008)
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