2006 Fiscal Year Annual Research Report
認知症に関連した神経細胞障害機構の解明と早期診断及びリハビリテーションの開発
Project/Area Number |
18591303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
相馬 仁 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70226702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
池田 望 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (00274944)
村上 新治 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30142756)
齋藤 利和 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50128518)
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Keywords | 認知症 / アミロイドβ / 神経細胞障害 / カルシウムストレス / プロテオミックス / リポソーム / 血漿マーカー / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
高齢化による老齢人口の増加に伴って、アルツハイマー病をはじめとする認知症患者数が増加し問題視されている。認知症は、本人のみならず家族や介護者の負担増を余儀なくし、その影響は大きい。認知症の中で、アルツハイマー病のその占める割合は大きく発症原因は不明であるが。確定診断のための検査法は乏しく、症状が出現してからの存在診断であるため、進行した状態で認めらるケースが多い。進行した状態では、薬物治療の効果が期待できないのが現状である。リハビリテーションや薬物療法は、症状が進行していない早期に行なわれなければ功を奏さない。 認知症の背景には、主に神経細胞の小胞体やミトコンドリアの機能障害とカルシウムや酸化のストレス障害による神経細胞死がある。本研究では、(特に早期で)認知症を簡便に血液で診断できる方法を確立することを目的とした。 神経細胞障害を示すマーカーは、認知症のマーカーとして期待され、その中で血液脳関門を通過し血中に現われる物質がマーカーとして考えられる。分子量が小さく、疎水性の性質を持つものは細胞膜間のバリアを通りやすく、脳から血液に入ってくる可能性がある。本研究では人工脂質膜(リポソーム)(ホスファチジルコリンとホスファチジルセリン)を担体として血漿に加え、リポソームに結合した蛋白質を解析した。この方法で血漿微量成分を濃縮することができた。2次元電気泳動後のスポットパターンの比較により、認知症候補マーカーが明らかになっている。同時にマウス初代神経培養細胞を用いたin vitroでも検討した。Aβ_<1-42>ペプチドにより細胞にストレスを与えると、それによって細胞から分泌される成分があり、プロテオミックスの手法で決定した。その中に、これまで我々が注目しているアネキシンA5が含まれていた。今後、血漿候補マーカーとin vitroでの検討結果を合わせて検討する。
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Research Products
(4 results)