2006 Fiscal Year Annual Research Report
健常高齢者の画像追跡によるアルツハイマー型認知症の予徴の早期発見;第13次研究
Project/Area Number |
18591311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
笠原 洋勇 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60056950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加田 博秀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10307423)
橋爪 敏彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10317985)
中西 達郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10287261)
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Keywords | MRI / BVRT / Enhanced cued recall / rating scale / brain atrophy |
Research Abstract |
10年間で健常高齢者の加齢変化による脳画像所見や生活スタイルと認知機能との関連を調べ、認知症の早期発見と発症例のリスクファクターを明らかにすることと認知症発症への遅延・予防の手掛かりを探っていく調査を行っている。 1999年から約300名の健常高齢者の認知機能、頭部MRI所見と生活実態の10年間の変化についての調査を行っている。当初は年間100名、2002年度から年80名の調査を継続して行っている。平成19年2月末で延べ722名の調査を終えることが出来た。 今年度の調査では3次目の調査が終わった145名の6年間の経年変化について一定の結果を得ている。ベントンテストでは正確数は有意差がみられなかったが、2次と3次の誤数で60才代開始グループと70歳代開始グループに差がみられた。またECR(Enhanced Cued Recall)では3次で自由再生、再生総数にも差がみられ70歳代群の記銘、再生力の低下が認められた。 ECRの成績をベースにして調査開始時のMRI所見について調べたところ、橋のT_2HSI(T_2 high signal intensity)、側頭葉の萎縮シルビウス裂の拡大および第3脳室の拡大の各項目で3次のECRの成績で有意な差が見られた。これらの項目が経年変化による認知力の低下を示唆する指標として今回までの結果から判明した。 この中で橋のT_2HSIは健常者ではみられない例も多いことから、側頭葉の萎縮とそれに付随するシルビウス裂の拡大が第皿脳室の拡大と並んで有意所見と考えられた。 来年度はこの調査の3次の最終年度にあたり、包括的なデータの集積ができる予定である。さらに問診による生活面の実態も認知テスト・MRI評価とあわせて解析していくことになり10年単位の生活変化と加齢変化を明らかにしていきたい。
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