2006 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外線酸素モニターによるCOMT多型と前頭葉機能の関連-ADHDでの比較-
Project/Area Number |
18591314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
榎戸 芙佐子 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (80102052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣保 究 金沢医科大学, 医学部, 助手 (20410318)
字引 逸亀 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60110532)
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Keywords | 近赤外線酸素モニター / 前頭葉機能 / ADHD / COMT多型 / ドーパミン分解能 / 強迫性症状 / 自閉性症状 / 認知機能 |
Research Abstract |
<目的>注意機能に障害を有するAD/HD(注意欠陥/多動性障害)を対象として、前頭葉機能とCOMT遺伝子多型との関連を、近赤外線酸素モニターを使って逐次的に測定する。また、かかる前頭葉機能およびCOMT多型が臨床に及ぼす影響を症候学、経過との関連で検討する。 <対象と方法>対象は金沢医科大学病院通院中のAD/DH患者とその家族である。方法は前頭葉機能を反映すると考えられているWCST(Wisconsin Card sorting Test)、流暢性テスト(言語および概念)を実施し、検査中の脳機能を近赤外線酸素モニターで測定する。その成績結果(各検査成績および近赤外線酸素モニターの反応性)とCOMT多型との関連性を検討する。 そのため、(1)遺伝子関連研究であるため、学内倫理委員会の研究許可を得た。(2)臨床像、認知機能との関連性を検討した。(3)ご家族にCOMT遺伝子多型のサンプル提出および前頭葉機能調査への協力を依頼した。 <結果>前頭葉機能検査は、予備的研究においてCPT(Continuous Performance Test)、Stroop test、Trail making testでは、症候学よりも年齢による差の大きいことが予測されたので、コンピューター操作による上記のWCSTなどに切り替え対象者に検査を試みているが、検査終了者はまだ少なくて結果の統計的処理には至っていない。対象者における強迫性と自閉性、衝動性の臨床評価、知的機能検査は終了し、結果を第17回IACAPAP(国際児童青年精神医学とその関連学会)に報告した。72名(男子56、女子16)中、習癖を含む強迫的行為は男子37名、女子10名に、自閉性障害は6名(男子5、女子1)に認め、WICSにおいて自閉性障害のないAD/HD群は数唱の落ち込みが有意だった。現在COMT遺伝子多型のサンプル収集を行っているが、費用の問題があり解析には至っていない。
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