2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岩田 仲生 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60312112)
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Keywords | 統合失調症 / 遺伝子発現 / SNPs / 診断法 |
Research Abstract |
1.サンプル収集 現時点で統合失調症患者717名、対象者1008名のDNAサンプルを収集した。末梢血を株化保存できたサンプル数は統合失調症患者254名、対象者117名。統合失調症患者のうち代表的抗精神病薬であるリスペリドンの治療反応性を評価したサンプルは122名、また表情認知反応をfMRIで測定したサンプル数は44名となっている。統合失調症患者の診断については出来る限り国際的に標準として利用されているSCIDを用いた。SCIDを全て行うことが困難であった症例に関してはSCIDのモジュールBのみは最低限行い診断確定とした。リスペリドンの反応性については初診時とリスペリドン単剤治療8週後においてPANSSによって症状を評価した。 2.発現解析 2.1どの時点のサンプルを解析に用いるか? 株化したBリンパ球からRNAを抽出・cDNA合成を行った後チップ解析をすすめた。株化中のどの時点でRNA発現量が安定するかについてまず予備実験を行った。即ち1.末梢血を採血直後の新鮮血液から抽出、2.株化成立し凍結直前のBリンパ球、3.一度凍結保存した後再解凍し培養を行い安定した状態について検討したところ、一部の遺伝子については発現量が大きく変化することが判明した。本研究の目標は診断方法の確立にある。数日単位の早急な診断法は現実の臨床場面は要求しておらず、むしろ確実な診断法と病態生理に関連する未知の遺伝子群を発見することが重要と考え本研究では2の確立直後のサンプルを用いて標準化されたサンプル群として行った。 2.2パイロット解析 本年度の予算範囲として患者群15サンプル、対照群15サンプルの合計30サンプルについて発現解析を行った。約2万5千の遺伝子について発現解析を行いP<0.05で有意となった遺伝子が1212個となった。この時点で何らかの生物学的情報を加えた選別を行うにはサンプル数が少なく、α及びβエラーの今後の詳細な解析にはいるには不十分と結論した。従って次年度にむけてさらに15:15サンプルの発現解析をおこない、両者の結果をあわせて再検討をし、二次解析を行う遺伝子群を選別することとした。
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