2007 Fiscal Year Annual Research Report
大麻摂取ならびに精神疾患動物モデルにおける社会的行動障害に関する神経薬理学的研究
Project/Area Number |
18591318
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江頭 伸昭 Kyushu University, 大学病院, 准教授 (80352269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 道弘 福岡大学, 薬学部, 教授 (10091331)
岩崎 克典 福岡大学, 薬学部, 教授 (10183196)
三島 健一 福岡大学, 薬学部, 准教授 (00320309)
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Keywords | 脳・神経 / 脳神経疾患 / 大麻 / バソプレシン / 社会的行動 / 統合失調症 / 自閉症 / THC |
Research Abstract |
これまで我々は、大麻の精神障害に着目し研究を行い、情報処理障害や認知障害など統合失調症患者との類似点を明らかにしてきた。しかしながら、統合失調症や大麻摂取で最も治療困難であり問題となるのは、感情の平板化、無関心、自閉など精神機能の減退を現す陰性症状である。特に社会的引きこもりや自閉など社会的行動の障害は、治療上問題となるばかりではなく、社会生活を営むことができないため、本人ばかりではなく、家族にとっても精神的にも経済的にも負担となるものである。さらに、統合失調症は人口の1%に発症し、出現率が高い割に長期入院を必要とする場合が多く、さらに自殺頻度が一般人口の8倍以上という驚異的なものであり、病態の発症機序の解明や新規治療薬の開発は、国家的経済面や社会的側面からも重要な課題であると思われる。ところが、社会的行動の障害に関して十分な発症原因の解明は行われていないのが現状である。前年度は、大麻の活性成分であるTHCおよびV1a欠損マウスが社会的行動を障害することを明らかにした。そこで本年度は、THCの投与で発現される情報処理障害、うつ症状、空間認知障害および意識レベル低下が社会的行動に影響していることが考えられるため、これらの症状について詳細な検討を行った。そしてそれぞれの症状の発現機序が異なっており、改善する薬剤が異なることを明らかにした。一方、THCによる社会的行動障害はCB1受容体を介しており、抗うつ薬、抗精神病薬および5-HT1A受容体作用薬の急性投与では改善されないことがわかった。また、V1a欠損マウスにおける社会的行動障害も抗うつ薬などの急性投与では改善されなかった。これらのことから、これらの社会的行動障害は慢性投与による治療効果などを検討する必要があると考えられた。
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Research Products
(4 results)