2006 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の病態、治療薬への反応性、および副作用出現に関する分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
18591319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
新開 隆弘 産業医科大学, 医学部, 助手 (20352304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 健輔 産業医科大学, 医学部, 非常勤助手 (90425314)
坂田 深一 産業医科大学, 医学部, 助手 (80425313)
堀 広子 産業医科大学, 医学部, 助手 (80412641)
大森 治 産業医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70248558)
直江 由衣 産業医科大学, 医学部, 専門修練医 (10421330)
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Keywords | 統合失調症 / 遺伝子多型 / 関連研究 / 遅発性ジスキネジア / 水中毒 / オーダーメイド医療 |
Research Abstract |
本研究の目的、以下3つのうち、今年度は2)および3)についてそれぞれ1報および3報の研究成果を得、報告を行った。 1)統合失調症の発症脆弱性に関与する遺伝子を明らかにする 2)抗精神病薬の治療反応性に関与する遺伝子を明らかにする 3)抗精神病薬の副作用発現に関与する遺伝子を明らかにする まず、2)の「抗精神病薬の治療反応性に関与する遺伝子を明らかにする」に関しては、交付申請書にも記した様に、研究代表者がカナダ、トロント大学医学部精神医学部門、嗜癖・精神衛生センターに平成15年4月から1年5ヶ月間留学の上、共同研究を行い一定の成果を上げて来た。研究代表者の帰国後も、現在まで継続的に連携をとり、共同研究を続けている。その一環として、抗精神病薬の最も代表的な標的分子の一つであるドーパミンD2受容体遺伝子多型と代表的な非定型抗精神病薬クロザピンの治療反応性に有意な関連を認め、これを報告した。 次に3)の「抗精神病薬の副作用発現に関与する遺伝子を明らかにする」に関しては、これも交付申請書にも記した通り、大きく(1)「遅発性ジスキネジアの危険因子となる遺伝子を明らかにする」および(2)「多飲行動の危険因子となる遺伝子を明らかにする」の2つテーマに関して研究を行った。まず、(1)に関しては特に酸化ストレスに注目し、遅発性ジスキネジアと代表的な抗酸化ストレス酵素であるキノン酸化還元酵素(NAD(P)H)遺伝子多型、およびグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX1)遺伝子多型それぞれとの関連を検討し、結果は何れも陰性であったが、報告を行った。 次に、(2)「多飲行動の危険因子となる遺伝子を明らかにする」に関しては、薬物代謝酵素に注目し、病的多飲と抗精神病薬の代表的な代謝酵素であるチトクロームP450(CYP)の1A2遺伝子および2D6遺伝子それぞれの遺伝子多型との関連を検討し、結果は何れも陰性であったが、報告を行った。
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