Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 純 産業医科大学, 医学部, 教授 (40148804)
宇都宮 健輔 産業医科大学, 医学部, 助教 (90425314)
坂田 深一 産業医科大学, 医学部, 助教 (80425313)
福中 優子 産業医科大学, 医学部, 専門修練医 (60441854)
井上 賀晶 産業医科大学, 医学部, 助教 (10461550)
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Research Abstract |
本研究の目的(下記)に沿い,今年度は計4報の研究成果の報告を行った。 1)統合失調症の発症脆弱性に関与する遺伝子を明らかにする 2)抗精神病薬の治療反応性に関与する遺伝子を明らかにする 3)抗精神病薬の副作用発現に関与する遺伝子を明らかにする まず,1)の「統合失調痒の発症脆弱性に関与する遺伝子を明らかにする」に関しては,精神活動、疾患で重要な役割を果たす脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子(Val66Met多型)と統合失調症との関連研究を行い(結果はネガティブであったが),報告を行った(Neurosci Lett415:108-112,2007)。さらに,近年注目の集まるグルタミン酸仮説に基づき,G72およびD-アミノ酸酸化酵素(DAAO)遺伝子と統合失調症との関連研究を行い(以前研究代表者が留学したカナダ、トロント大学医学部精神医学部門,嗜癖、精神衛生センターとの共同研究),有意な関連を認め,これを報した(Neuromolecular Med9:169-177,2007)。 次に,2)の「抗精神病薬の治療反応性に関与する遺伝子を明らかにする」に関しては,昨年度報告したドーパミンD2受容体遺伝子に続き,今年度はドーパミンD1受容体遺伝子多型と非定型抗精神病薬、クロザピンの治療反応性に有意な関連を認め,これを報告した(トロント大学との共同研究。J Psychopharmacol.21:718-727,2007)。 また,3)の「抗精神病薬の副作用発現に関与する遺伝子を明らかにする」に関しては,摂食や飲水行動に関与するとされるオレキシンに着目し,抗精神病薬の副作用の一つと考えられる病的多飲とオレキシン1受容体遺伝子との関連を検討し,有意な関連を認め,これを報告した(Neuromolecular Med9:292-297,2007)。
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