2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスによる過覚醒の神経メカニズムの解明:ラットを用いた精神生理学的研究
Project/Area Number |
18591322
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
榛葉 俊一 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員 (80175398)
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Keywords | ストレス / フットショック / 事象関連電位 / 脳波 / 大脳皮質 / ラット / 過覚醒 |
Research Abstract |
ラットの事象関連電位、睡眠覚醒リズム、slow potential,心拍変動、脳内ノルアドレナリン濃度がストレスによる過覚醒の指標になることが示唆された。 1.フットショックストレスに伴う事象関連緩電位変化は、ストレスに対する条件付けの過程で出現し、ストレス中止後もしばらく続き、ストレス第負荷に関連する指標になりうると考える。主として前頭葉に出現し、外傷後ストレス障害などのストレス関連疾患で認められる過覚醒との関わりが示唆される。 2.ラットの睡眠覚醒リズムに対する摂食の影響を、餌の硬さの面から分析した。柔らかい餌よりも硬い餌の方が、睡眠が増加する傾向が認められた。また、時系列分析により睡眠覚醒脳波の分析も行った。 3.心拍変動の自律神経指標が、フットショックストレス負荷後に数日間にわたり変化することを認めた。長時間持続するストレスの影響の指標になる可能性が考えられた。 4.ストレス後の脳内ノルアドレナリンは、皮質、海馬、視床下部で、フットショックストレス負荷後、7日目まで濃度が上昇することが認められた。ストレス後の過覚醒の神経メカニズムに関連することが考えられる。ストレス後の反応性が持続的上昇することが、過覚醒の背景にあると考えられる。
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