2006 Fiscal Year Annual Research Report
末梢動脈瘤に対する仙台ステントグラフトの基礎的研究
Project/Area Number |
18591326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松橋 俊夫 東北大学, 病院, 助手 (40333819)
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Keywords | カバードステント / 免疫抑制剤 / 動脈瘤モデル |
Research Abstract |
(1)生体におけるcovered SENDAI stentの安全性の検討 【方法】Nitinol製の自己拡張型ステント:SENDAI stent(径5〜6mm、長さ20mm)を多孔性のポリウレタンフィルム(SPU film)で被覆した。SPU filmの厚さは15μm、孔径は100μm、孔間隔は150μmとした。新生内膜肥厚抑制のため、SPU filmの外面に免疫抑制剤:Tacrolimus(=FK506)を塗布した。計8匹の雌ビーグル成犬(体重10〜12kg)の外腸骨動脈にFK506を塗布したcovered stent(n=4)、何も塗布しないcovered stent(n=4)およびbare stent(n=4)を留置した。4週間後に血管撮影し、外腸骨動脈を摘出し、内膜肥厚の程度、内皮化の有無を検討した。 【結果】いずれも留置4週後の外腸骨動脈に有意狭窄や血栓閉塞は認めず、cover filmの内面には均一な内皮化を認めた。新生内膜肥厚の面積は(bare stent群)<(FK506を塗布したcovered stent群)<(何も塗布しないcovered stent群)の順で、FK506塗布の効果が示唆された。 (2)末梢動脈瘤モデル作成法の検討 【方法】計3匹の雌ビーグル成犬(体重10〜12kg)を使用。5.5Fのダブルバルーンカテーテルを右外腸骨動脈に留置。ダブルバルーンを拡張させて、閉鎖空間にエラスターゼ2ml(206U)を注入し、1時間放置した。コントロールとして、左外腸骨動脈に留置したダブルバルーンを拡張させて、閉鎖空間に生食2mlを注入し、1時間放置した。4ヶ月後に血管撮影し、外腸骨動脈を摘出し、動脈瘤の有無を検討した。 【結果】3例ともエラスターゼを注入した右外腸骨動脈に動脈瘤が生じており、左外腸骨動脈には動脈瘤を認めなかった。今後、さらに動脈瘤モデルの作成法を検討していく。
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