2007 Fiscal Year Annual Research Report
末梢動脈瘤に対する仙台ステントグラフトの基礎的研究
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18591326
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松橋 俊夫 Tohoku University, 病院, 助教 (40333819)
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Keywords | 動脈瘤モデル / エラスターゼ / 外腸骨動脈 |
Research Abstract |
まず、動脈瘤モデルが必要であるため、以下のような動脈瘤モデル作成実験に1年間を費やした。 【方法】計8匹の雌ビーグル犬を使用。外腸骨動脈に留置したダブルバルーンの閉鎖空間にエラスターゼ2mlを注入し、1時間放置した。1ケ月後に血管造影と組織学的に動脈瘤の有無を検討した。 <No.1>右外腸骨動脈の閉鎖空間にエラスターゼを注入。【結果】右外腸骨動脈に動脈瘤が生じた。 <No.2>・右外腸骨動脈の閉鎖空間にエラスターゼ注入。 ・バルーンで左外腸骨動脈を拡張後、注入。【結果】左外腸骨動脈に動脈瘤が生じ、右外腸骨動脈には軽度の動脈瘤が生じた。 <No.3>・Cutting Balloonで右外腸骨動脈を拡張後、エラスターゼを注入。 ・Fogartyカテーテルで左外腸骨動脈を擦過後、注入。【結果】両側外腸骨動脈に動脈瘤が生じた。 <No.4>・ダブルバルーンを用いずに、総頚動脈と右大腿動脈からバルーンを挿入し、閉鎖空間にエラスターゼ注入。 ・左深大腿動脈を金属コイルで塞栓し、注入。【結果】右外陽骨動脈が破裂し、急性期死亡となった。 <No.5>・Fogrartyカテーテルで擦過後、右外腸骨動脈の閉鎖空間にエラスターゼを注入。 ・左外腸骨動脈の閉鎖空間にエラスターゼを注入。【結果】右外腸骨動脈に過剰な血栓が付着し、瘤化は認めなかった。左外腸骨動脈に瘤化を認めた。 <No.6>・バルーンカテーテルにて右外腸骨動脈を拡張後、閉鎖空間にエラスターゼを注入。 ・Fogrartyカテーテルにて左外腸骨動脈を擦過後、注入。【結果】右外腸骨動脈が破裂して、急性期死亡となった。 <No.7>・右外腸骨動脈の閉鎖空間にエラスターゼを1回注入。 ・左外腸骨動脈の閉鎖空間にエラスターゼを6回注入、【結果】両側外腸骨動脈の動脈瘤に差は認めなかった。 <No.8>(破裂実験)外腸骨動脈を径6mm→7mm→8mmバルーンにて拡張した。【結果】φ8mm、6気圧まで破裂しなかったが、径8mm、8気圧で破裂した。 【結論】以上の実験から、有効な動脈瘤モデル作成法として、以下のことが明らかとなった。(1)ダブルバルーンの閉鎖空間にエラスターゼ2ml注入1ケ月後に外腸骨動脈に動脈瘤が生じる。(2)動脈瘤を生じるには、エラスターゼ注入前にバルーン拡張が必要である。(3)径8mmバルーンカテーテルで6気圧までの拡張では破裂しない。(4)Cutting Ba11oonやFogartyカテーテルは動脈破裂や過剰な血栓を生じ、動脈瘤作成に適さない。
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