2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管の延髄圧迫による高血圧-磁気共鳴画像による検討-
Project/Area Number |
18591327
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 昭喜 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80148874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日向野 修一 東北大学, 病院, 准教授 (20173148)
麦倉 俊司 東北大学, 病院, 助教 (20375017)
梅津 篤司 東北大学, 病院, 助教 (40370259)
阿部 高明 東北大学, 病院, 講師 (80292209)
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Keywords | 高血圧 / 脳血管 / MRI / 延髄圧迫 |
Research Abstract |
1)臨床所見の検討:本態性高血圧群,腎性高血圧群,正常コントロール群、計29名の臨床所見について、データベース化した。それぞれの因子について、3群間で有意の差は認められなかった。 2)MRI撮像と画像解析:撮影したMRI画像を視覚的に検討したところ、ボランティア7名中2名に、視覚評価では接触ありと判定される所見が認められた。本態性高血圧患者群では2名、二次性高血圧患者群では1名に接触ありと判定される所見が認められた。 3)画像所見と臨床所見の相関:画像所見と、血中カテコラミン値その他の臨床因子との相関を検討したところでは、いずれの因子においても有意の相関は認められなかった。 高血圧の無いボランティア群の中にも、MRI上、神経血管圧迫があるように見える所見があることは、脳動脈による下位脳神経圧迫の視覚的な評価は、現時点では神経血管圧迫が高血圧の原因となっている患者を検出する手段としては特異度が低いものと判断された。 研究分担者と協議し、この状況のまま症例数を追加しても有意差のある結果を得られる見込みは低いものと思われ、これ以上の症例、健常者のエントリーは中止した。現在までに得られた画像データを元に、神経血管圧迫と判定する基準について再検討することとした。 <結論>脳血管が下位脳神経に接触する所見は、高血圧の無い健常ボランティアでも見られうる所見であり、単純な視覚評価は神経血管圧迫が高血圧の原因となっている患者を検出する手段としては信頼性が低い。神経血管圧迫ありと判定する基準を再検討する必要がある。
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