2006 Fiscal Year Annual Research Report
障害心筋におけるエネルギー代謝異常と心筋バイアビリテイ:核医学とMRIによる検討
Project/Area Number |
18591339
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹田 寛 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70106988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 肇 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (60205797)
須澤 尚久 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (80378372)
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Keywords | 心筋バイアビリティ / 虚血性心疾患 / FDG PET / 心臓MRI |
Research Abstract |
平成18年度は、虚血性心疾患の患者を対象として、F-18 FDGを用いたPET心筋イメージングと種々の撮影法を利用した心臓MRI検査を施行し、心筋の壁運動や血流、壊死、バイアビリテイなどの評価を行い相互に比較した。【対象】健常成人5名、虚血性心疾患患者12名である。【方法】FDG PET心筋イメージングの方法は、被検者を4時間以上絶食とし、50mgブドウ糖液を飲用させる。血糖値が110-140mg/dl前後となったところで、F-18 FDG 3.7MBq/kgを投与し1時間安静にした後、PET-CT装置により心筋PETイメージングを行った。減衰補左はCTによるデータを用いて行った。さらに心筋血流を評価するために安静時Tl-201心筋SPECT検査も併用した。心臓MRI検査では、シネMRIによる左室壁運動の評価、安静時およびジピリダモールATPなどの薬剤負荷時にGd-DTPA0.075mmol/kgを急速注入しダイナミックスキャンを行い安静時および負荷時に心筋血流評価、さらに遅延造影MRI法により梗塞心筋の評価を行った。【結果】健常成人においては、FDG PET、Tl SPECTともに左室心筋に均等で良好な集積を示し、MRIでも壁運動、心筋血流は正常で遅延造影MRIでも梗塞心筋はみられなかった。虚血心筋では、Tlで集積低下ないし欠損を示した左室壁のうち、FDGの集積のみられた部位においては、MRIでは壁運動良好で梗塞心筋の比率は小さく、心筋バイアビリテイが良好であることが示された。一方、FDG集積のみられなかった部位においては、MRI検査で壁運動の低下、心筋血流の高度低下、梗塞心筋の比率の大きいことが示され、心筋バイアビリテイは高度に低下していることが判明した。【結論】以上の結果より心筋バイアビリテイの評価には、Tl SPECT検査よりもFDG PET検査の方が優れていることが示された。
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