2008 Fiscal Year Annual Research Report
障害心筋におけるエネルギー代謝異常と心筋バイアビリテイ:核医学とMRIによる検討
Project/Area Number |
18591339
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
竹田 寛 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70106988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 肇 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60205797)
須澤 尚久 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (80378372)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 遅延造影MRI / N-13アンモニアPET / F-18 FDG PET |
Research Abstract |
1)急性心筋梗塞を対象に、遅延造影MRIを行った。急性期に遅延造影MRIにて造影される心筋は、T2強調画像で高信号を示す浮腫領域よりも狭く、壊死心筋の存在を反映していることが示されたが、その造影範囲が75%を超える心筋では6ヶ月後には、心筋血流・代謝ともに低下した壊死領域となることの多いことが判明した。 2)遅延造影MRIによる心筋梗塞巣の範囲と、ブドウ糖負荷によるF-18 FDG心筋PETによるFDGの局所心筋集積を比較検討した。遅延造影MRIにより貫壁性梗塞の示された部位におけるFDG集積は、欠損ないし高度に低下していた。しかし遅延造影MRIにより心内膜側にのみ造影される心内膜下梗塞においては、FDGの集積は正常から軽度低下しているものまでみられ、FDG集積は心内膜梗塞の大きさに依存するものと考えられた。 (3)N-13アンモニアPETによる安静時および負荷時の心筋血流評価を20例に対して実施した。我々の用いているPET-CT装置では検出器の素材に検出感度、効率とも高いLSOを使用し、CTデータによる吸収補正が行われるため、短時間で正確な心筋血流の測定が可能で、非常に高画質の安静時および負荷時の血流イメージを得ることができた。特に運動や薬物負荷を与えた時の心筋血流増加によるN-13アンモニアのカウント上昇にも正確に追随することができ、安静時と負荷時の血流定量値を正確に計測できることが判明した。10例における冠動脈正常心筋セグメントにおける局所心筋血流量は、安静時1.06±0.63 ml/min/g, ATP負荷時3.06±0.72 ml/min/gであった。冠動脈狭窄を有する症例においても、LSO検出器を使用したPET-CTは、感度や解像度の高く、吸収による不均一の少ない優れた心筋血流画像が得られ、従来の心筋血流イメージングよりも正確に虚血を評価できた。
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