2006 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈MRAと心筋パーフュージョンMRI定量解析による冠動脈疾患の総合的評価
Project/Area Number |
18591340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐久間 肇 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (60205797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 寛 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70106988)
加藤 憲幸 三重大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40214390)
須澤 尚久 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (80378372)
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Keywords | MRI / 冠動脈 / 動脈硬化プラーク / 冠動脈MRアンギオギラフィ / 心筋血流 / ガドリニウム造影剤 / 心筋パーフュージョンMRI |
Research Abstract |
本年度(〜平成19年3月31日)の研究実施計画 新しい冠動脈MRA診断法(Whole heart coronary MRA)による冠動脈プラーク病変の診断に関する検討を行った。撮影にあたっては、心臓用のSENSEカーディアックコイルと新規に導入した多チャンネルサーフェスコイルの2種類を用いた。X線冠動脈造影にて冠動脈有意狭窄病変を有する患者24例を対象に、MRIによる冠動脈プラーク描出の有無とプラークの厚さ、狭窄部の血管径を評価した。冠動脈プラークの描出率は非石灰化プラーク73%、石灰化プラーク33%であり、MRIでは非石灰化プラークは比較的良好に描出されたが、石灰化プラークは低信号を示し、検出は困難と思われた。描出された非石灰化プラークの平均厚は2.5mm±0.6であり、検出されたプラークの最低厚は1.5mmであった。冠動脈狭窄部の内径はMRAでは0.9mm±0.5、X線冠動脈造影では1.2mm±0.5(p<0.05)であり、MRAは狭窄径を過小評価、狭窄率を過大評価(71%±15 61%±13,p<0.01)する傾向があった。これらの結果から、MRIによる冠動脈プラークの診断では、厚さ1.5mm以上の比較的厚い非石灰化プラークは描出されるものの、コイルと撮影シーケンスのさらなる改善が必要と思われた。心筋血流解析については、安静・負荷時の心筋パーフュージョンMRIを施行し、デュアルボーラス法による造影剤信号飽和補正やパトラックプロットによる動態解析を行い、心筋血流(ml/min/g)や血流予備能を定量的に計測した。有意冠動脈狭窄を有しない約20名を対象に安静・負荷時の心筋血流MRIを定量計測したところ、安静時の平均心筋血流量は0.84±0.17ml/min/g、負荷時の平均心筋血流量は4.2±0.38ml/min/gであって、心筋血流PETによる結果と良い一致を示した。
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