Research Abstract |
狭心症患者および心筋梗塞患者90名を対象として、whole heart coronary MRAと安静・負荷心筋パーフュージョンMRIを実施した。心筋パーフュージョンMRIは、デュアルボーラス法による造影剤信号飽和補正やパトラックプロットによる動態解析を行った。whole heart coronary MRAの画像評価にはsliding partial MIP法の有用性が高く、4週間以内にカテーテルによるX線冠動脈造影が行われた49例について検討を行ったところ、whole heart coronary MRAによる診断感度は92% (95% CI, 60-99%),特異度は90% (95% CI, 66-98%),陽性的中率は85% (95% CI, 54-97%),陰性的中率は94% (95% CI,71-99%)、正診率は90% (95% CI, 80-100%)であった。負荷心筋パーフュージョンMRIは冠動脈多枝病変におけるびまん性内膜下虚血の診断能に優れており、X線冠動脈造影を基準にした場合の負荷心筋パーフュージョンMRIの診断感度は89% (95%CI, 70-97%),特異度は91% (95% CI, 69-98%),陽性的中率は92% (95% CI, 73-99%),陰性的中率は87% (95% CI, 65-97%)、正診率は90% (95% CI, 81-98%)と、良好な成績が得られた。Whole heart coronary MRAと安静・負荷心筋パーフュージョンMRIはいずれも非常に高い診断精度を示し、一回の心臓MRI検査で両者を組み合わせて実施することにより、有意狭窄病変を鋭敏に検出できるだけでなく、虚血の有無に基づく的確な冠動脈インターベンションの適応決定を行うことができる。
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