2006 Fiscal Year Annual Research Report
3テスラ超高磁場MRIを用いた肝細胞癌の検出能の最適化及び分化度推定法の開発
Project/Area Number |
18591341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前谷 洋爾 京都大学, 医学研究科, 助手 (30324619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 幹子 京都大学, 医学研究科, 講師 (20322159)
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 助手 (10252462)
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Keywords | 肝細胞癌 / 分化度 / 予後 / 3T超高磁場MRI / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
近年、原発性肝癌に対しても生体肝移植が施行されてきているが、その予後を規定する因子として、腫瘍のサイズ・大きさ・分化度が重要であることが我々の研究により証明された(Takada Y, Ueda M, Maetani Y, et al. Living donor liver transplantation as a second-line therapeutic strategy for patients with hepatocellular carcinoma. Liver Transpl. 2006;12(6):912-919)。そこで我々は術前にこれらの因子を正確に評価するために3Tの超高磁場MRIを用いた研究を開始した。まず、肝細胞癌の診断(個数)では動脈相で肝癌同様に濃染されるAP shuntとの鑑別が問題となる。これを解決するためにkupffer細胞に取り込まれる肝特異性造影剤SPIOを用いることにした。そして、肝癌の検出を最適化するためのsequenceを何種類も考案して実験を繰り返し、最適なscan parameterを決定した。これらは肝細胞癌に対する肝切除術を受ける患者さんの同意を得て施行した。次に肝癌の分化度の推定であるが、MRIの拡散強調画像である程度推定可能であるという報告が1.5TのMRIを用いてなされており、この知見を元に、3TのMRIでの至適撮像条件を各種実験の末、決定した。 これらの基礎実験を経た後、実際に肝癌に対する生体肝移植を受ける患者さんでの撮像を開始した。その症例数は未だ少なく、現時点では10例にも満たないが、他院でHCCと診断された症例が実はAP shuntであったことが判明し、不要な移植を回避出来た症例などの臨床的実用性が明らかとなりつつある。本年度はさらに症例の蓄積を重ね、その有用性につき統計学的評価を施行しうる状態まで持って行く予定である。
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