2007 Fiscal Year Annual Research Report
PETを用いた心臓イオンチャンネルイメージングの研究
Project/Area Number |
18591345
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畑澤 順 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (70198745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 修 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50159969)
村瀬 研也 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50157773)
奥 直彦 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (40346193)
|
Keywords | イオンチャネル / ポジトロン / 心筋 / diphenylhidantoin / 酢酸 |
Research Abstract |
心臓のイオンチャネルのひとつであるNaチャネルを画像化しその病態を解析することを目的に、1)Naチャネルに特異的に親和性のある陽電子放射核種標識トレーサ11C-diphenylhidantoinを開発、2)対向型ポジトロンイメージング装置を用いて小動物(ラット)を撮像、3)このデータをもとに、動態解析を行い、心臓のNaチャネルを画像化、4)Naチャネル密度と心機能の関係を解析するために心筋酸素代謝を反映する11C-acetateを標識合成した。 トレーサの標識合成は、N_2ガスターゲットに陽子を照射(照射電流10μA,照射時間3分)、14N(p,α)11C反応によって得られた11CH_4から、11CCl_4、11COCl_2を生成し、クロロホルムを反応溶媒として、反応温度0℃、反応時間5分で11C-diphenylhidantoin1187MBqを得た。放射化学的純度は66%であった。 11C-diphenylhidantoin注射液(5MBq)をラット(雄、250g、n=3)の尾静脈からボーラス投与し、投与直後から対向型ポジトロンイメージング装置で全身撮像を連続20分間行った(1画像/1秒)。投与直後に腹部大静脈から心腔内への11C-diphenylhidantoinの流入が認められ、心臓の位置が同定された。投与後10分〜15分に、心筋への集積のピークが認められた。11C-diphenylhidantoinと非放射性diphenylhidantoinのco-injectionにより、心筋への11C-diphenylhidantoin集積が変化したことから、11C-diphenylhidantoin由来の放射能濃度はNaチャネル特異的結合を反映していると考えられた。 本研究により、臨床例において心筋Naチャネルとエネルギー代謝の関連について研究を推進することが可能になった。
|
Research Products
(3 results)