2006 Fiscal Year Annual Research Report
多核種磁気共鳴法による脳機能分子イメージングの開発と脳神経疾患への適用
Project/Area Number |
18591362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
成瀬 昭二 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (50106407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 恒彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70237733)
田中 忠蔵 明治鍼灸大学, 保健医療学部, 教授 (80163541)
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Keywords | 磁気共鳴法(MRI) / 脳機能分子イメージング / Mn-enhanced MRI / 2次元磁気共鳴スペクトル法 / 拡散強調テンソル画像 / MR感受性物質 / 神経細胞再生 / 免疫 |
Research Abstract |
「目的」我々の開発してきた種々の多核種磁気共鳴法技術を元に、磁気共鳴脳機能分子イメージングの種々の技法を開発・実用化し、それらを用いて次に述べる脳機能の解明と脳神経疾患解析への応用の研究を行う。即ち一つは、"神経細胞の再生"であり、もう一つは、神経細胞自身に対する自己・非自己認識に関係する免疫系の特異性と脳機能や種々の病態との関連についての解析である。 「方法・結果」本年度は、以下に示すような種々の多核種の磁気共鳴法を用いた磁気共鳴脳機能分子イメージング法を開発すると共に、実用化に向けての基礎研究を行った。(1)マンガン増感磁気共鳴画像法(Mn-enhanced MRI)による以下のような脳機能分子イメージングの技法を開発した。(1)神経細胞興奮によるCa^<2+>チャンネル開口に依存した神経賦活を検出する手法、(2)神経細胞およびグリア内に取り込ませ、細胞の形態および機能を反映した高分解能画像を取得する技法、(3)軸索輸送による脳組織内神経線維のトレーシングを可能にする技法、である。(2)水分子の細胞内外の出入りを高速microimagingと拡散強調画像法の技術の結合にて描出して神経細胞興奮画像を得る方法の基礎的開発を行った。(3)生体高分子材料学の研究者との共同で、抗原抗体反応を検出するための高分子とそれにMR感受性物質(Fe, Gd)を結合させたComplexの開発の検討を行い、実験動物体内動態を画像化する技術的検討を行った。また、腫瘍免疫特異性反応リンパ球にMR感受性物質を呑食させる基礎的技術開発を行った。(4)超高速化学シフト画像法と2次元MRS法を用いて、神経細胞特有のアミノ酸(NAA、Glutamate等)の分布を画像化する方法を改良し、ニューロンの代謝活性・特異性を画像化する方法を検討した。(5)これらの脳機能分子イメージングに加えて、次の従来のMR技法をも改良を行った。(1)拡散強調テンソル画像法で、神経線維の再生時の方向性や連絡性を画像化した、(2)血管内の水分子をtracerとする非侵襲的脳血流画像法を得て、神経細胞再生と再開通脳血流量変化の関係を解析する方法を改良した。 以上のように、脳活動を分子レベルで解析できる磁気共鳴脳機能分子イメージング法の技術的検討を行い、ニューロン再生や免疫特異性の解明をin vivo動物実験で行いうる基礎的地盤を形成した。
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