2006 Fiscal Year Annual Research Report
画像統計解析による超早期アルツハイマー型認知症の診断法の確立
Project/Area Number |
18591364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
松田 博史 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90173848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久慈 一英 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90283142)
今林 悦子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30406491)
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Keywords | 神経科学 / 痴呆 / 脳神経疾患 / 放射線 / 解剖学 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の前駆段階である認知症状の未だみられない健忘型の軽度認知障害患者に脳血流SPECTとMRIを施行し、健常高齢者のそれぞれの画像データと統計学的に比較する多施設共同研究を行った。脳血流SPECTとMRIの画像統計学的解析のために、簡便なソフトウェアを開発し、客観的な解析を行った。脳血流SPECTは撮像装置により大きく画質が影響を受けるので、ファントムを用いて補正を行った。その結果、アルツハイマー病の前駆段階患者と健常高齢者の識別に関して、脳血流SPECTとMRIは、80%強とほぼ同等の識別能を有することがわかった。ただし、若年発症例では、脳血流SPECTがMRIに比べて識別能が高く、高齢発症例では、逆の結果であった。両者とも異常を示す症例は64%であったが、いずれか一方が異常を示す例は97%にみられ、脳血流SPECTとMRIを組み合わせた診断法が高い識別能を有することがわかった。また、これらのソフトウェアの客観性を評価するために、読影経験が1年〜20年の10人の医師に解析結果を提示し、診断能を検討したところ、経験によらず、高い診断能を呈することがわかった。さらに、これらの解析結果を視覚評価ではなく、アルツハイマー病に特異的な病変部位の統計値を用いてコンピュータ解析することにより、視覚評価よりも高い識別能を得ることができた。このコンピュータを用いた自動解析法は、ソフトウェアに組み入れられ、日本の多数の認知症に対する診療施設で用いられている。
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