2008 Fiscal Year Annual Research Report
画像統計解析による超早期アルツハイマー型認知症の診断法の確立
Project/Area Number |
18591364
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
松田 博史 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (90173848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久慈 一英 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (90283142)
今林 悦子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30406491)
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Keywords | 神経科学 / 認知症 / 脳神経疾患 / 放射線 / 解剖学 |
Research Abstract |
アルツハイマー病のMRIによる診断にvoxel-based morphometry(VBM)が良く用いられている。しかし、従来のVBMでは、解剖学的標準化が不完全である。このため、得られた容積変化の解剖学的位置が不正確である上に、萎縮が強い場合には統計精度も劣化することが指摘されている。この欠点を克服すべく、VBMの開発者であるAshburnerは、2007年に2005年度版を用いたDiffeomorphic Anatomical Registration using Exponentiated Lie algebra(DARTEL)手法を開発した。われわれは、このDARTEL手法を軽度認知障害段階のアルツハイマー病のMRI診断に応用することを目的とした。25例の若年健常者から作製されたTemplateを用いて、健常高齢者82例とMCI段階のアルツハイマー病61例の軽度認知障害の段階のMRIの灰白質画像と白質画像のグループ解析を行い、初期アルツハイマー病に特徴的な灰白質および白質の容積低下部位を求めた。アルツハイマー病では、灰白質画像において両側海馬から海馬傍回、白質画像において、両側海馬傍回周囲から側頭葉深部白質に容積低下が観察された。灰白質画像での容積低下領域のZスコアを用いた、健常高齢者とアルツハイマー病の識別能の検討では、90%近い値が得られ、従来のVBMよりも10%近い向上が認められた。DARTEL手法を用いたVBM解析は、従来法よりも解剖学的標準化精度に優れる。
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