2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光を用いた胆嚢、胆道系腫瘤診断のための基礎的研究
Project/Area Number |
18591366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
甲田 英一 東邦大学, 医学部, 教授 (80101989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 学 東邦大学, 医学部, 講師 (30297709)
長基 雅司 東邦大学, 医学部, 助手 (10172561)
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Keywords | 分析科学 / 癌 |
Research Abstract |
正常胆管と胆管炎、胆管癌の近赤外ラマン分光測定を行った。 使用した励起レーザーは1064nmの近赤外線で、ファイバープローブを用いて測定した。測定関心領域は850-1700cm^<-1>とした。ラマン分光システムは1064nmNdYAG laserから発信したものをNDフィルター通過させた後、照射用ファイバーを介して摘出標本に照射した。ラマン散乱光は検出器導入用ファイバーで収集し、F/2.5collimating lensおよびHolographic notch filterを通過させた後、Multichannnel polychromatorで測定した。測定は各症例10回行った。レーザーパワーは56mW、積算時間は120秒とした。分光波形の評価は3名が独立して行った。 以下に結果を示す。 正常胆壁では1250 Raman Shift/cm-1,1320 Raman Shift/cm^<-1>,および1450 Raman Shift/cm^<-1>に低いピークを全例で認めた。それぞれAmide III、CH3,CH2 wagging, CH2 bendingを反映したものと考えた。 炎症症例では全例において、正常胆管と同一部位にそれぞれ正常胆管より高いピークを認めた。 胆管癌症例では上記3ピークのうち1450 Raman Shift/cm^<-1>のみが、正常のそれと比較して識別可能な急峻なピークを呈していた。 現時点で検討しえた胆管癌症例は5例で、今後症例数をより増やしてその再現性を検討する予定である。
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